次回で最終回を迎える『MONSTER』広島放送分に寄せて
※アニメ『MONSTER』の広島放送分は来週火曜深夜のFinal Chapter『本当の怪物』でついに最終回を迎えます。
一応コミック版を最後まで揃えて読み通した筈なんですが……。
当初は、真相に手が届きそうになるんだけど届かないもどかしさとか、 謎が増幅される事とか、先が読めないことが、原作が支持された一因だと思い、 既に原作が完結してる事によって先が読めない展開は期待できないとばかり思ってました。
しかしながら、見事にコミック版の記憶をなくしてましたです(苦笑)。そんな事情から、 コミック版と同様に先の見えない、真相に届かないもどかしさを感じながらアニメ版を見つづけてました。
また、アニメのクオリティというか(自分が記憶に残してる限りの)原作再現度は“完璧”でしたし、 声の配役についてもまた同様に思えましたね。
そういえば『MASTERキートン』のアニメ版も再現度は完璧だったかと思います。 その流れでまた今度は『PLUTO(プルートウ)』もその完結後にでもアニメ化して欲しいものです。 その原作自体、いつ完結するのか全く先が見えないんだけど(苦笑)。
浦沢さん作品関連というと『YAWARA!』もありましたが、 あの頃はまだ東欧共産圏とかソビエト連邦が存在した時代であり、 そして冷戦状態とベルリンの壁が崩壊しソ連が解体された時代でした。
エピソードでは記者の松田耕作がユーゴスラビアのザグレブからベオグラードへタクシーで急行するというものもありましたが、 現実ではその後、ユーゴ内戦(1991年~1995年)となり、 ユーゴスラビア連邦はセルビア人の地域から他の民族が次々と離脱・独立し、 独立戦争や民族戦争を経て解体されていきます。
独立したクロアチアの首都・ザグレブとかつての中心だったセルビア共和国の首都・ベオグラードの間には、 クロアチア人とセルビア人が領土を争ったスラボニアという地域と モザイク国家のボスニアヘルツェゴビナが挟まり、 恐らくは両国の通行にはかなりの制約が掛かっているかと思われます。
『YAWARA!』と並行する形で描かれていたのが『MASTERキートン』でした。
冷戦の壁に引き裂かれた家族や、東側共産圏で洗脳された子供、 冷戦崩壊と共産圏の解体でそれまでの特権的力を失った人々、 体制転換の混乱期に新たなる闇の世界を手に入れようとする人々……。 『キートン』最終章であるルーマニア編(と仮に呼んでみる)の構成などは、 たいてい1~3話完結のストーリーが単行本1冊分と長編の形となっているだけでも異例なのですが、 共産圏崩壊後の闇がにじみ寄り、幾つもの謎が隠され明かされ、 そして大きな闇が包囲して攻め込む村をキートンたちが守り抜くという展開は、 『MONSTER』のプロトタイプの一部とも言えるものでした。
(『キートン』連載当初、ルーマニアはチャウセスク独裁政権下にあったことから、 ドナウ文明というキートンの最終目標はドナウ側上流の西側の地域を想定していたのではないかなと推測)
『MONSTER』を企画するにあたっては、多分、 『キートン』の最終章と、それまでに断片的に収集した時代の変化が産み落とした要素をパズルのように組み合わせ解体再構築して、 浦沢さんの頭で計算された設計に基づき、ストーリーを最終章にまで展開していったんじゃないかなと思います。 そして同じ手法を、今、『プルートウ』で再び実践されている。
一応コミック版を最後まで揃えて読み通した筈なんですが……。
当初は、真相に手が届きそうになるんだけど届かないもどかしさとか、 謎が増幅される事とか、先が読めないことが、原作が支持された一因だと思い、 既に原作が完結してる事によって先が読めない展開は期待できないとばかり思ってました。
しかしながら、見事にコミック版の記憶をなくしてましたです(苦笑)。そんな事情から、 コミック版と同様に先の見えない、真相に届かないもどかしさを感じながらアニメ版を見つづけてました。
また、アニメのクオリティというか(自分が記憶に残してる限りの)原作再現度は“完璧”でしたし、 声の配役についてもまた同様に思えましたね。
そういえば『MASTERキートン』のアニメ版も再現度は完璧だったかと思います。 その流れでまた今度は『PLUTO(プルートウ)』もその完結後にでもアニメ化して欲しいものです。 その原作自体、いつ完結するのか全く先が見えないんだけど(苦笑)。
浦沢さん作品関連というと『YAWARA!』もありましたが、 あの頃はまだ東欧共産圏とかソビエト連邦が存在した時代であり、 そして冷戦状態とベルリンの壁が崩壊しソ連が解体された時代でした。
エピソードでは記者の松田耕作がユーゴスラビアのザグレブからベオグラードへタクシーで急行するというものもありましたが、 現実ではその後、ユーゴ内戦(1991年~1995年)となり、 ユーゴスラビア連邦はセルビア人の地域から他の民族が次々と離脱・独立し、 独立戦争や民族戦争を経て解体されていきます。
独立したクロアチアの首都・ザグレブとかつての中心だったセルビア共和国の首都・ベオグラードの間には、 クロアチア人とセルビア人が領土を争ったスラボニアという地域と モザイク国家のボスニアヘルツェゴビナが挟まり、 恐らくは両国の通行にはかなりの制約が掛かっているかと思われます。
『YAWARA!』と並行する形で描かれていたのが『MASTERキートン』でした。
冷戦の壁に引き裂かれた家族や、東側共産圏で洗脳された子供、 冷戦崩壊と共産圏の解体でそれまでの特権的力を失った人々、 体制転換の混乱期に新たなる闇の世界を手に入れようとする人々……。 『キートン』最終章であるルーマニア編(と仮に呼んでみる)の構成などは、 たいてい1~3話完結のストーリーが単行本1冊分と長編の形となっているだけでも異例なのですが、 共産圏崩壊後の闇がにじみ寄り、幾つもの謎が隠され明かされ、 そして大きな闇が包囲して攻め込む村をキートンたちが守り抜くという展開は、 『MONSTER』のプロトタイプの一部とも言えるものでした。
(『キートン』連載当初、ルーマニアはチャウセスク独裁政権下にあったことから、 ドナウ文明というキートンの最終目標はドナウ側上流の西側の地域を想定していたのではないかなと推測)
『MONSTER』を企画するにあたっては、多分、 『キートン』の最終章と、それまでに断片的に収集した時代の変化が産み落とした要素をパズルのように組み合わせ解体再構築して、 浦沢さんの頭で計算された設計に基づき、ストーリーを最終章にまで展開していったんじゃないかなと思います。 そして同じ手法を、今、『プルートウ』で再び実践されている。
(6/21 2:30)
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