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2007年5月21日 (月)

移植予定タイトルをヒットさせる為の下準備についての考察


先に触れましたPS2版『Fate』に近い周知がなされたタイトルは他に『ひぐらしのなく頃に祭』が挙げられるでしょう。
 各シナリオや外伝などを複数のコミック誌で展開し、コミック単行本がいっせいに発売されたことはやはり大きいです。 こちらもアンソロ本というアプローチもありましたね。
『夜明け前より瑠璃色な』も『ひぐらし』と同じような原作からの支持の他、 『ゲーマガ』での情報連載やPS2版発売前後になされた 『電撃G'sマガジン』などでの半年間6号連続という表紙展開も後押ししたはず (アニメは幸いに広島未放映だったから影響は知らないです)。

 それと……2005年末にPS2版がリリースされた後の2006年にアニメ化した『乙女はお姉さま(ボク)に恋してる』 もそのリリース展開を入れ替えていたらもしかすると更にPS2版の販売数が伸びていたかもしれません (当初にだけ懸念されたアニメ版声優交代劇もアニメ放映中には鎮火した事から、 仮にPS2版でデュエルボイスとなったとしても不安感はかなり減ったかも。 ちなみにPS2版はサブキャラ以外はPC版と同じキャスト)。
 こちらはアニメ化まではPS2での移植以外、 自分の見た感じではユーザー層からの支持という面が特に強かったかと思います。 またそのアニメ化に関しては放映の間も特に昨今では攻撃対象となるような悪い話も皆無な代わり、 暗黒絵師ヨダさんタイプのキャラが映像化という話題性もありましたから。 ウチもこれはちょっと見てみたかったです……。 『電撃大王』連載コミック版は毎号欠かさずチェックしてますが何か話題を耳にしないのはなぜですか(汗)。面白いのに。


 アニメ化というアプローチでの販促展開については…… 実際のところ放送エリアがごく限られている事がどうしても足枷となる感があります。 いや広島ではどれも未放映ばかりだからそう思えてくるんですが(汗)。
(DS『真・らき☆すた』はアニメが広島でも放映された事で特に5月以降予約を求める声というか難民が増えてます…… 4月には既にいっぱいでしたorz ホントに増産されるんですか?)

 またコミック化という展開なんかは昔からある手段ですけど、 これも手広く同じパターンを繰り返してますから「家庭用ゲーム機への移植・アニメ化」 という宣伝文句をつけてただ出せば良いという時代では既にありません (『夜明け前より瑠璃色な』のオリジナル展開や 『ef』本編発売前のコミック展開などのような工夫も時々見られます)。
 コミック化での成功例として『ひぐらし』や『Fate』関連をあげてますが、 これらはユーザー支持という下地と売り出す側の戦略により継続して展開し「続けている」面が特に強い。
 早くから長期的にコミック展開を行うと良いと言う訳でもなく、 ユーザーからの下支えを如何に生み出しその支持を長く保てる(伸ばせる)か、という辺りですね。 先の2作品の他、更に先駆者としてやはりリーフ・アクアプラスなんかがこのコミックによるアプローチに長けていると思います。

 では時間的にそういった準備が間に合わない場合にどういった販促を展開すれば良いのかという訳なのですが、 あるものに目をつけたのが角川ホールディングスの角川書店とメディアワークスでしょう(その他いくつかのアニメ誌など)。 その手段は既に触れられてます。
 それは雑誌表紙での展開です。というかこの手段自体は『Fate』やいくつかの過去の大作でも使われており、 昨年では『夜明け前より瑠璃色な』の前に『ダカーポ2』 が雑誌『電撃G'sマガジン』の表紙を6号連続(半年間)で飾るという販促展開を既に仕掛けてますから、 そう目新しい手段でもないんです。  しかしこの方法は同じ作品・同じ絵柄が継続的に店頭に並び続けるという点で、 その作品を周知させる効果があります。 作品タイトルを発表してから発売まで予めスケジュールを組み後は毎号表紙を用意 (その上記事を継続して投入)すれば良いのだから、売り手主導で一方的ではありますが、 メディアワークスの例のように半年間集中投入という中期的な展開戦略を練る事が出来ます。  また雑誌出版物なのでその雑誌を扱う書店であれば全国津々浦々どこででも目にする事が出来ますから、 アニメ未放映による販促の空白域という取りこぼしも少ない。後は実際に手にとってもらえれば。


 今後移植されるタイトルで上記の販促展開に近いものというと…… 3月から早くも販促展開(店頭ポスターなど)を始めている『ななついろ☆ドロップス』だけですな。 『電撃G'sマガジン』の表紙を6号連続(半年間)飾る他、 同誌でコミック版も連載し今年にアニメ放映も控えてます。
このソフト、雑誌と同じメディアワークスが発売するんですよね(最大限その効果を利用するつもり?)。
 ただ……似た展開が出来る雑誌自体も後は『コンプティーク』といくつかのコミック雑誌だけ (非ゲーム原作も連載されてるから同じゲーム原作の表紙が飾る頻度は少ないでしょうし)だから、 他が真似をするのは難しいんですけどね。 ついでに言えば角川ホールディングスがメディアをほぼ独占しているから他から入り込む余地が少ない気も。

 そういった販促手段が取れない場合は…… まず何よりも販売する店舗での展開が重要ですから問屋と協力しておく事と早めな周知展開、 そして雑誌などでの記事を通して作品の魅力を伝えるという努力が、つまりは従来と同じなんですが、 より一層必要となるのでしょう。 特に雑誌はそのほとんどが店頭でヒモ綴じされ、買わないと表紙以外の他の記事は見れない為、 その表紙の見出しにタイトルを載せて惹きつける工夫をするという余地がまだあります。
 早くから予約が集まればそれだけ仕入れる上でも配慮できますから。
 また(誌面記事以外の)上記のメディア展開をそう駆使しなくても 原作からの支持や関心、店頭での販促物に支えられてヒットしたタイトルも実際にあります。

(5/21 0:25)

(5/21 12:05 昨夜書いたテキストの後半を分割して大幅に加筆改編してます)


※電撃G'sは『ななついろ☆ドロップス』で6号連続表紙をしているんじゃなかったんですか?  電撃大王7月号にあった広告では7月号『リトルバスターズ』が表紙でした。

(5/23 1:35)



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16万ヒットPS2『Fate』は「怪物的」で異例なタイトルだった

(とりあえず参考資料)
PS2移植予定表
2006年のコンシューマ移植ギャルゲ―の傾向と来年の動き
※Win版『メルティブラッド アクト カデンツァ ver.B』が明日21日の正午から予約解禁という事なので、 その前日たる本日ずっとPOPや予約券の準備をしてました。PS2ギャルゲの販促コーナーが 『リトバス』『ポリフォニカ』そして『メルブラ』 とだんだん全年齢対象PCソフトに侵食されているような気がしてなりません(汗)。


※PS2『Fate』が通常版限定版あわせて発売初週に14万本以上の売り上げを達成してますね。 限定版は初回入荷分が店頭完売した後も何故か何度か追加入荷し、 そして売れていきましたので、累計は更に伸びそう(追記 5/17のファミ通集計では16万本に)。

 それにしても2006年から2007年前半は『クラナド』『はるのあしおと』『つよきす』『パルフェ』『メルティブラッド』『うたわれるもの』 『夜明け前より瑠璃色な』『ひぐらしのなく頃に祭』など、そして『Fate』と ネームバリューの大きなタイトルが集中的に移植され発売となりました。
 しかし……こうして一連の大作祭りが過ぎ去った後、 「ポスト『Fate』と期待されるタイトルは何か?」という空白期に入っているのではとも個人的に思うんです。
 確かに期待できるタイトルは発売直前の『この青空に約束を』や『ななついろ☆ドロップス』などまだ控えてはいますが、 怪物的タイトルが出てしまった後に(裸エプロン絵柄などの販促特典物という特段な吸引力をもつ大手ショップではない) 普通の中小のショップが安心して強気で予約訴求できる(=売り切れる見込みのある)タイトルとなると、 やはりどうしても一息入れてしまう感があります。

 ただ、「ポスト~」という区切り方は酷。というかこれはもう一時的に吹き荒れた巨大台風です。 それが過ぎた今は、また去年前半のようなある意味安定した時期に戻ったと思うべきなのかもしれません。
 先の「ポスト『Fate』」という言葉は今後の移植作品にとって無用のプレッシャーでしかなく、 この場で触れるに留めすぐ封じておくべきです。もう忘れて忘れて。
 この先は「大作」という期待にぶら下がるのではなく、 中堅的なタイトルでも広く長く告知して発売されるタイトルの魅力を周知させるような販促努力が更に求められるんじゃないかな。 特に「伝奇活劇」というジャンルをギャルゲコーナーで告知してその棚の存在感を強めた所なんかは、 今後のタイトルについてもこの新ユーザーに対して提示し「ギャルゲ」への関心を引き続ける努力が必要、 ホントに必要……orz


※ちなみにPS2『Fate』が如何に「怪物的」で異例なタイトルであったかは、 その販売本数もですが、これまでの周知レベルの違いも大きいかと思います。 以下は以前にも『Fate』の売上実績を触れる際に何度か同じネタを振っている様な気がします(焼き直しの焼き直しorz)。

 まずは原作PC版ですが、 発売から数週間という初動が売り上げの全てである場合がほとんどのエロゲ市場の中でここまで息の長いタイトルはそう無いはずで文字通り異例。 またその実績の通り、原作『Fate』と関連作はトップか上位に年間売上ランキングでも位置してます。

 そして今回のPS2移植で特筆するべきなのは、 年齢層的に幅広くそして年単位で長く『Fate』というタイトルが周知され続けていた点でしょう。 更に言うなら18歳未満世代への浸透です。

 その前作『月姫』がアンソロジーコミックという一般流通の書籍として数多く出ていた事でそもそもTYPE MOONの存在自体は既に知られていたという下地もありますが、『Fate』では角川系の雑誌『少年エース』『コンプティーク』での記事や表紙・コミックや、 講談社から出された『空の境界』『DDD』といった奈須きのこさん関連作品での織り込みチラシなど (アニメについてはやはり広島未放映だったから類推以上の判別が付かないです)、 原作が18禁であるにも拘らず(『月姫』の頃よりも)様々な流れで年齢制限を越え各方面で周知されました。 本屋に行けば関連する本が目に付くという具合にですね。
 特にそういった情報に触れてきた18歳未満の世代は「情報としては知っているが作品は遊べない」 という鬱積が溜まっていたはず。 (晴れて18歳以上・高校生以上となり年齢制限が時間的に解除されてからPC版を手に入れるというパターンも過去のPC版販売実績に大きく影響しているでしょう)
 それがPS2に移植され年齢制限が一応解除(CERO-C 区分)されたのだから、 18歳未満のファン予備軍にとっては将に“喜べ少年よ、君の願いはようやく叶う…!” と流れるCMでの台詞そのものです。

 またPC版をプレイしているユーザーも14万の内の多くを占めていたかと思います。 PS2移植に辺り声優による台詞演出やPS2移植におけるプラス要素があるからといった理由の他に 「原作PC版をプレイしたからPS2移植版も~」という流れもあったでしょうね。
 その他、どの程度の割合かは判らないですが、 先の長く広い周知により新規の女性ユーザーがPS2『Fate』を手にしたと思われます。 『メルブラ』PS2版でも『hollow』でも既にそのようなユーザーは存在してましたから。


 とまぁこれらの要素が特段に強かったからこのPS2版『Fate』は将に「怪物的」であり、 色々な意味で異例だったのです。

(5/21 0:25)

(5/21 0:25 更に続いてたんですが別内容なのでこちらに分割)



※勤務先で昨日たまたま目にした少し前のファミ通の記事では週間ランキングで『Fate』の販売本数が14万本(細かい数値は忘却)とありましたが、 【ゲームソフト販売本数ランキング TOP30】 集計期間:2007年4月23日~2007年5月6日 を見ると更に伸びて「16万6986本」となってます(順位は前回2位から28位に)。 2万本ぐらい累積を増やしてますが初動が大きかっただけにその差がかなりありますね(汗)。

 ちなみにウチは積みゲが多いし『Fate』はいつでも買える気がしてしまうから未だに購入してません(ってそれは前から言っている事ですが)。 同じく積んでる『月箱』とともに老後の楽しみにしようかと。 でも関連する小説『Fate/ZERO』は2巻まで読んでますね。続きが大変楽しみです。

(5/21 2:25 追記)



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