親から子へ引き継がれる星空の下の願い 『星空のメモリア』
(FAVORITE)
『星空のメモリア』は昨年夏コミ辺りでの第一報から個人的に注視している作品でした。 それはまぁなんというか司田カズヒロさんの原画とブランドの持つ特徴的な塗りといった主にグラフィック面での好みでしたが ……途中、双子の巫女さんが登場する事が判明した辺りでなんか「巫女ゲー」的な期待とかが含まれたような気がします(爆死)。
で、実際の所『星空のメモリア』は、 司田カズヒロさん原画と特徴的な塗りを含めたグラフィック、それらの演出(演出的工夫や立ち絵演出など)、 歌曲とBGM、そしてよく練られた多彩でいてまとまりのあるシナリオと、総合力的に期待以上に良く出来ている作品でした。
シナリオは謎の幾つかが次のルートで明らかとなり(完全ではなく)、更にそこで新たな謎が現れる、 という絶妙さは、旨い具合に続きを気にさせてくれます。
不満点というか、強いていえばアダルト的には『ウイズアニバーサリィ』よりおとなし目かなぁという事ぐらいでしょうけど(回数は1~3回とバラついてますし)。
一番気がかりだった「システム」も快適で安心して安定した環境でプレイできました(コレは事前に体験版で確認できてました)。
なんでこれを取り上げるかというと『ウイズアニバーサリィ』がイベントCGの拡大機能が原因かどうかはわからないけど激重だったのが印象に残っているからだったりします(未コンプ)。 『ウイズアニバーサリィ ファンタ』でそれは改善されていたみたいなんですけどね。
(以下、ネタバレ含みます)
シナリオは、 当初の印象だと星空の下で「死神」「展望台の少女」「星空」を軸に話が広がると思ってましたが、 良い意味でそういった事前予想が覆されました。
一方はこももの過去の記憶と共に「まつろわぬもの」の存在が浮き彫りとなり、 また、「まつろわぬもの」を還す事を目的とする「星天宮」という存在も明らかになるという、 やや伝奇色を持ったストーリーとなり、 もう一方では「星空」に望郷を抱く少女の物語が、 過去の初恋の思い出に心迷う物語が、というように様々な姿を見せてました。
そして総じて、親の世代の想いが主人公たち今の世代へ引き継がれていく物語に気付けば姿を変えてました。 だから真のエンディング(乙津 夢)では更に次の世代(メア)へ引き継がれていく形となったのでしょう。 『星空のメモリア』とはやはりこのことを指すのでしょうね。
「死神」などと呼ばれるメアやレンのような存在、そして「隕石」は 「伝奇的」にも「宇宙科学的(ややSF的)」にも捉えられてますね。 そもそも隕石や星は、確かに古来より神話や信仰の対象となることもありましたが、 宇宙科学的にも地球生命の素が含まれていたとされる隕石に宇宙からの異邦人も乗っていて、 そんな異質な存在を人知を越えた「神(荒神)」として神社に鎮めるという、 科学と非科学を結びつけたアイデアは大変ユニークです。
それにしても多くの人たちが7年前の隕石に引き寄せられ影響されているなぁ。
さて、作中に浮上した幾つかの謎は、「天文台の館長」や「小河坂家の事情」、 「星天宮」なる組織、「カレイドオルゴール」「色白の謎の少女(乙津 夢)」「レンと前世代の関係」などありましたが、 次以降の物語の中で明かされたりしてますが、本作中では明らかとならなかったものもありました。
その最もたる者が「星天宮」から派遣された雪菜以外の巫女「飛鳥伊麻」でしょう。 恐らくは親友「飛鳥未来」の失踪してしまった妹だと思われます。
それ以外にも「部長の二重人格」とか、 物語の背景がそれぞれ何らかの形で関わり結びつくなかで残っているものもあるかもしれませんが (「メアやレン」の故郷とか)、その辺りは読者の想像にってなるかな。
アダルトな展開に関しては、『ウイズアニバーサリィ』と比べるとややパワーダウンかも、 と既に触れてますけど、それは『ウイズ』のビジュアルブックに記載されているシーンテキストと比較するとより顕著で、 なんというか結構抑え気味なんですよね。余りに盛り過ぎるのもアレなので自重したということでしょうか。
それから姫榊の巫女姉妹の双子丼をちょっと期待してたのですが、こさめさんが作中に煽る事があったにも拘らず、 オマケとかでもなかったのが大変残念でなりません(爆死)。
それから「メア」編がどちらかというと「夢」編の派生的な扱いとなっていたのがもったいない。 てっきり「飛鳥伊麻」や「星天宮」関連が絡むと思ってましたので。
双子丼や、本作では明かされなかった「飛鳥伊麻」という存在、部長の二重人格、 更に今作だけでお役御免となるのは勿体無く思いますので様々な登場人物が再び集うような後日談など、 ファンディスクでそういった辺りをフォローしてほしいですね、と期待してみます。
『星空のメモリア』は昨年夏コミ辺りでの第一報から個人的に注視している作品でした。 それはまぁなんというか司田カズヒロさんの原画とブランドの持つ特徴的な塗りといった主にグラフィック面での好みでしたが ……途中、双子の巫女さんが登場する事が判明した辺りでなんか「巫女ゲー」的な期待とかが含まれたような気がします(爆死)。
で、実際の所『星空のメモリア』は、 司田カズヒロさん原画と特徴的な塗りを含めたグラフィック、それらの演出(演出的工夫や立ち絵演出など)、 歌曲とBGM、そしてよく練られた多彩でいてまとまりのあるシナリオと、総合力的に期待以上に良く出来ている作品でした。
シナリオは謎の幾つかが次のルートで明らかとなり(完全ではなく)、更にそこで新たな謎が現れる、 という絶妙さは、旨い具合に続きを気にさせてくれます。
不満点というか、強いていえばアダルト的には『ウイズアニバーサリィ』よりおとなし目かなぁという事ぐらいでしょうけど(回数は1~3回とバラついてますし)。
一番気がかりだった「システム」も快適で安心して安定した環境でプレイできました(コレは事前に体験版で確認できてました)。
なんでこれを取り上げるかというと『ウイズアニバーサリィ』がイベントCGの拡大機能が原因かどうかはわからないけど激重だったのが印象に残っているからだったりします(未コンプ)。 『ウイズアニバーサリィ ファンタ』でそれは改善されていたみたいなんですけどね。
(関連)
◇FAVORITEで4/10から5/10まで人気投票を実施
“1位に輝いたキャラクターは、司田カズヒロによる描き下ろしイラスト壁紙化!”
◇『星空のメモリア サウンドコレクション』4月29日発売
◇司田カズヒロさんによるヒロイン創作の苦労話(ネタバレ含む)
※どこかに『星メモ』舞台とされる北海道「小樽」の情報があったんですが……
(以下、ネタバレ含みます)
シナリオは、 当初の印象だと星空の下で「死神」「展望台の少女」「星空」を軸に話が広がると思ってましたが、 良い意味でそういった事前予想が覆されました。
一方はこももの過去の記憶と共に「まつろわぬもの」の存在が浮き彫りとなり、 また、「まつろわぬもの」を還す事を目的とする「星天宮」という存在も明らかになるという、 やや伝奇色を持ったストーリーとなり、 もう一方では「星空」に望郷を抱く少女の物語が、 過去の初恋の思い出に心迷う物語が、というように様々な姿を見せてました。
そして総じて、親の世代の想いが主人公たち今の世代へ引き継がれていく物語に気付けば姿を変えてました。 だから真のエンディング(乙津 夢)では更に次の世代(メア)へ引き継がれていく形となったのでしょう。 『星空のメモリア』とはやはりこのことを指すのでしょうね。
「死神」などと呼ばれるメアやレンのような存在、そして「隕石」は 「伝奇的」にも「宇宙科学的(ややSF的)」にも捉えられてますね。 そもそも隕石や星は、確かに古来より神話や信仰の対象となることもありましたが、 宇宙科学的にも地球生命の素が含まれていたとされる隕石に宇宙からの異邦人も乗っていて、 そんな異質な存在を人知を越えた「神(荒神)」として神社に鎮めるという、 科学と非科学を結びつけたアイデアは大変ユニークです。
それにしても多くの人たちが7年前の隕石に引き寄せられ影響されているなぁ。
さて、作中に浮上した幾つかの謎は、「天文台の館長」や「小河坂家の事情」、 「星天宮」なる組織、「カレイドオルゴール」「色白の謎の少女(乙津 夢)」「レンと前世代の関係」などありましたが、 次以降の物語の中で明かされたりしてますが、本作中では明らかとならなかったものもありました。
その最もたる者が「星天宮」から派遣された雪菜以外の巫女「飛鳥伊麻」でしょう。 恐らくは親友「飛鳥未来」の失踪してしまった妹だと思われます。
それ以外にも「部長の二重人格」とか、 物語の背景がそれぞれ何らかの形で関わり結びつくなかで残っているものもあるかもしれませんが (「メアやレン」の故郷とか)、その辺りは読者の想像にってなるかな。
アダルトな展開に関しては、『ウイズアニバーサリィ』と比べるとややパワーダウンかも、 と既に触れてますけど、それは『ウイズ』のビジュアルブックに記載されているシーンテキストと比較するとより顕著で、 なんというか結構抑え気味なんですよね。余りに盛り過ぎるのもアレなので自重したということでしょうか。
それから姫榊の巫女姉妹の双子丼をちょっと期待してたのですが、こさめさんが作中に煽る事があったにも拘らず、 オマケとかでもなかったのが大変残念でなりません(爆死)。
それから「メア」編がどちらかというと「夢」編の派生的な扱いとなっていたのがもったいない。 てっきり「飛鳥伊麻」や「星天宮」関連が絡むと思ってましたので。
双子丼や、本作では明かされなかった「飛鳥伊麻」という存在、部長の二重人格、 更に今作だけでお役御免となるのは勿体無く思いますので様々な登場人物が再び集うような後日談など、 ファンディスクでそういった辺りをフォローしてほしいですね、と期待してみます。
(4/15 1:20)
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