2010年にウチが読んだ主なライトノベル
※去年は毎月刊行されていた創元SF文庫版『銀河英雄伝説』(田中芳樹氏)が無事全巻刊行され読破した他、
アニメ放送をきっかけに『タイタニア』(田中芳樹氏)、西尾維新さんの『化物語』シリーズを、
放送を追い越すように読破し、
最後の締めに虚淵玄さんの『アイゼンフリューゲル(2)』を読了。直後の興奮の勢いで感想を書いてたりしました。
※今年はどうだったかっていう事を辿ると……アニメ化(ただし広島県内で見れる地上デジタル・BSデジタル放映限定) に関連して原作ノベルを読み始める傾向が一番大きかったかなって思われます。
◆『迷い猫オーバーラン!』だけは既に第1巻からリアルタイムで読んできた根っからの原作ファンでしたので…… アレは実験アニメ過ぎて評価が難しいデス。
雑誌『フェブリvol.2』にある酒井伸和さんによる解説を読んでますけれども、 かなりアニメ監督の作風経歴とかを実際に見て知らないと理解できないんじゃないかなぁって (ここ最近にやっと新房昭之監督とかの作風はセンス的に分かってきたかも? って思いかけてるけど)。
原作の雰囲気を一番良く出しているのは矢吹健太朗さんのコミカライズの方でしょう。
原作は今年は2冊だけ刊行されてますが、海外に飛んだり、乙女姉さんに婚約者が現われたりと、 毎度のように大騒動してますが、人情溢れるところがしっかりとあるから安心して読める作品なんですよね。
◆『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、 アニメ放映から物議を醸した事がきっかけで原作を知ろうと読み始めたラノベでしたが、 まさか放映始まった10月の間に既刊全6冊を読破してしまったぐらい見事ドップリとつかっちゃうとは想像もしなかったわ(苦笑)。 ああ、PSPの限定版も予約済みだよ(爆死)。
この『俺妹』は、ハードコアなオタクの妹もゴスロリ黒猫も長身メガネの子も真剣に趣味を楽しんでいる事が描かれているだけでなく、 実は横の繋がりというのもしっかりと描かれているんじゃないかなって思います。 そのあたりの協調とか軋轢が悲喜交々のドラマを作り出していると(ただし、エロゲは18歳以上からだけどね)。
あやせのヤンデレっぷりがマジでヤバイ(苦笑)。それはそれとして、加奈子にしても意外な姐御肌気質は好感度を挙げたかなって。
秋葉原などのリアルな舞台が登場しますが、夏のコミケの時期にしか滞在していないウチにとっては、 半分リアリティあり、半分ファンタジーな世界のように感じてます。もしくは一回り若い世代が主役たちだから、 そういった世代的な距離感もそう感じさせられるのかも。正直彼らと秋葉原が羨ましいです。
今期のアニメ放映では原作の途中までが描かれるそうですが、 沙織の正体とか新キャラ登場、黒猫の大攻勢とこの先の出来事もアニメ化して欲しいので第2期是非とも!!
(と、ここまでで「人情」「横の繋がり」という共通項見つけた。……なんかウチはそんな雰囲気を渇望しているのかも?)
◆毎月一時間一話放映だったアニメ『刀語』(西尾維新さん)だけは、 原作全12冊という量を見ただけでお腹いっぱいなのでまだ読んでない(汗)。 アニメは……あ~先月の第11話、なんで録画セットしてたのにエラー起こしてたんだ~(涙)。
代わりに同じ筆者の『化物語』シリーズ最新作『猫物語(黒・白)』は読んでます。 こちらは(白)で新シリーズに入ったそうで、今月出る『傾物語』や来年にかけて続刊が続くんだそうな。
『猫物語 黒』、80ページをファイヤーシスターズとの映像化かなり困難な馬鹿話で消耗した後からが本番。 羽川翼と阿良々木暦のゴールデンウィークにあった出来事、 それまで文章化されていなかったその空白がこの小説で明かされてます。
『偽物語』後のエピソードという『猫物語 白』は、羽川が一頭の虎に出くわしたことから始まるんですが、 『アニメコンプリートガイド』の短編ともリンクしていたり、次回『傾物語』ともリンクしていると露骨に匂わせたり、 阿良々木暦が 八九寺拉致監禁の犯罪者扱い ラストでありえないくらいカッコいい登場をしたり、
色々仕掛けられていたりと中々面白い感じでした(笑)。
新シリーズの数冊ほどは同じ時間の別の場所での事件を描かれるみたいなので、 その結び付きを見つけていくことも今後の楽しみ方となるんでしょう。
それはそうと『新本格魔法少女りすか』の最終巻はまだでしょうか。
※また、今年のウチの傾向の一つは、全く手を出した事の無い作者の作品を手にしている事かもしれません。
◆電撃文庫『死想図書館のリヴル・ブランシェ』は、 当初は黒い髪の綺麗な人が表紙だったし、失われた書物を扱う作品らしいからって理由で手にしたシリーズです。
すでにこちら(文系アクションと黒髪メイドさん)で触れてるんで詳細はカットするけど、 死書の持つ能力を駆使していく「文系アクション」は必見です。今後の展開にも期待したい作品でしょうか。
◆電撃文庫『平安鬼姫草子』は……男性キャラがやたらと目立っているんで、ある意味、 男性向けラノベっていう雰囲気でもないし、イラストの絵柄もそんな感じがします。 そしてその中身もまるで現代語訳された古典を読むかのようです。
しかしながら、坂上田村麻呂と鈴鹿御前の血を引く快活可憐な姫君・結鹿と従兄の坂上鈴城、 その周りにいる悪友らが 平安の都で発生している怪異を解明しようと挑み立ち向かう姿はアクション溢れてますし、 姫君の隠された血筋には本当に切なくなります。
事件の真相は、それこそ本当に切ないものがありますので、これは読み得てみてください。
出来れば彼ら彼女らの活躍する新しい話も読めれたらいいんですけど、 あまり刊行時も話題を耳にしてないくらいマイナーなんですよね。ウチ的には隠れたお勧めラノベです。
イラストの方って今日店頭に並んでた『新・週刊マンガ日本の歴史 安部清明』(朝日新聞出版)でコミカライズ描かれてたんですか!
◆GA文庫大賞奨励賞作品『月見月理解の探偵殺人』 は「探偵殺人ゲーム」というチャット参加型推理ゲームなどを題材にした、 信頼と裏切りがエンドレスゲームのように続いている心理戦ゲーム的・探求型ラノベ、ですね。
隠されていた素顔とかが突然現われたり、事態が急変するなど、 ハードな展開に常に凝視する必要があるそんな精神的には結構疲れる感じではあります。
登場キャラもドSで冷酷凶悪天才頭脳な車椅子の探偵少女・月見月理解に、 特殊能力を持つ何人もの人物、異質・奇質な怪人物たちと、とにかくいい性格している人物が多すぎ。 理解にいたっては挿絵が更に凶悪性を増長してますし(苦笑)。
かなり人を選ぶ作品ですが、一端その「探偵殺人ゲーム」にのめり込んでしまったら続きが気になって行く事が必然なんで、 取り扱い注意です。
◆スニーカー文庫『菜々子さんの戯曲』はこの半年の間に2冊刊行されてます。 第1巻は今年の8/3まで全文無料Web公開とかあったそうですが、 残念ながらウチは夏コミ準備とか暑さダウンでアクセスする余裕が無くって見逃しております。 で、秋になってようやく読み始めたと。 帯に「可憐で快活で、ちょっぴり陰険(第1巻)」「“菜々子さん”の暗躍は止まらない!(第2巻)」と書かれている辺り、 一筋縄ではいかないヒロインが登場するんだなぁって思ってましたが想像以上でした(苦笑)。
第1巻では長年入院生活をしている少年を主人公に、 小学生の頃の回想、そしてその3年前、 入院のきっかけとなった校内での事故を振り返っていくのですが……。
病室と過去という閉鎖空間の中、見舞いに来る菜々子さんとあの時現場に居た菜々子さんとの会話、 少年の記憶を元に推理していくうちに事故の真相に近づいて、いく。
この作品のヒロイン「菜々子さん(仮名)」についてはその第1巻の初版に多分付いている筈の帯(2010年8/3まで全文Web公開と告知されてる) に説明ありますけど、いや確かに「陰険」です(笑)。 というか、何でも思い通りにしようとするような策謀家的な性格だ。
そんな彼女に陰で振り回されながら真実と偽装が入り混じる中で真相に近づいていく、 そんなストーリーを体感できるラノベでしょう。しかしその真実と意図は菜々子さんだけが知っているって所がまた立ちが悪い(苦笑)。
この表紙絵や挿絵を描かれた方ですが……今年の夏コミで会場買いした『けいおん!!』本出されてた方でした。 また今月になって『失われた未来を求めて』エンディングロールでも着彩スタッフでその名前を見るとは思いもしなかったです。
◆MF文庫『101番目(ハンドレッドワン)の百物語』 は涼香さんのビジュアルからは直ぐには都市伝説ホラー物だとはイメージが湧きませんが、 「百物語」とあるように(ちょい)ホラー物です。 違う。主人公・一文字疾風クンが女の子をゲットしてハーレムを構築していく物語デス(説明的には間違いない)。
主人公の背後に立ち、チクチク背中を突いてくるし、Dフォンひとつで何処からでも背後に現われる 「月隠れのメリードールズ」に、魔女とか胸の大きいツインテとか。
能力のネーミングも結構好みかな。「人食いの村(カーニヴァル)」「魔女の口車(ウィッチロア)」 「妖精の神隠し(チェンジリンク)」「想起跳躍(リンガーベル)」といった感じです。
疾風クン「俺の物語にならないか?」って見境なし過ぎです。でもその命懸けの懐の深さに好感と羨望だね。
緊急事態であろうと無かろうと交わされるボケとチクチク刺さるツッコミの遣り取りも、 ウチ的にはその加減がよろしいようで、むしろそれが一種のリズムのよう。
第2巻の終わりの様子だとまだまだ続くっぽいので、次回はそこの双子の並んだ挿絵と活躍の場を、 それから何か裏設定ありそうな七里詩穂生徒会長の再登場を願いたいですね。いえ勿論ハーレムメンバーにも!
「人情」「横の繋がり」「ある意味イイ性格しているヒロイン」「事件解決」
大体の作品でこれらの記号のいくつかが合わさるみたい。 来年もその指針で好みそうなラノベに当たってみるといいのかも。
【今年書いた感想】
◇ここ最近の購入物と『迷い猫オーバーラン!8 I'll let you adopt me!』
◇スーパーダッシュ文庫『迷い猫オーバーラン!(9) わたしがみんなに護られてるの♪』
◇女の子に「振り返ったら殺す」って追いかけられるフォークロアなラブコメ! サイトウケンジさん『101番目の百物語』
◇電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1巻を読んでみて
◇文系アクションと黒髪メイドさん 電撃文庫『死想図書館のリヴル・ブランシェ』
※その他にも読んでいるラノベいくつかあるんですが……。
電撃文庫『俺と彼女は魔王と勇者で生徒会長』
電撃小説大賞最終選考作だったのが他の作品から転用したテキストが使われていた為に回収されたという、 ある意味今年のラノベでの問題作の一つです。回収された所為でアキバで夏にプレミア付いてるのを見たよ。 ウチは盗作された作品を読んだ事が無い為、それがそうとは気付かなかったんだけど、 他人の作品のシーンを探し出しテキストを写す作業をする暇あるなら、そのシーンを思い浮かべて自分の言葉で描いた方が遙かに早いのに、 なんでそんな無駄な事をしたんって思うんですよ。盗作部分ではないテキストとか全体的な話自体も、正直、 続き書けって思うくらい放置された設定があって、気持ち的には(準備されていたらしい)続編を出して欲しかったんですが(もう無理デス)。
電撃文庫『神様のメモ帳』(著:杉井光さん 絵:岸田メルさん)
ツイッターで気になる作品といったら各方面から「いいから読め」と言われましたので、 今月後半になって読み始めている既刊のシリーズものです。今はあと少しで第1巻を読み切る感じですが、 仲間たちと協力し合いながら事件を解決していく姿とアリスの儚さが印象的で、 年明け以降にかけてこれから読み進めて行きたいなって思っている次第です。
※ハード読者に比べるとまだまだでしょうけど、今年はこのように新規開拓で読み始めている作品が多かったという事です。 加えて、余り周りでは話題にならなかったけど面白かった作品でもあります。
この読書欲の勢いと好みの傾向を指針(逆指針にも)に2011年も様々な作品を読めたらなって思います。 また面白い作品との出会いを。
あと……自分の方でも今抱えているプロット(『フォアテリ』二次創作)を早く形にしたり、 来年夏コミの出し物ネタを捻り出したりしないとねorz
※今年はどうだったかっていう事を辿ると……アニメ化(ただし広島県内で見れる地上デジタル・BSデジタル放映限定) に関連して原作ノベルを読み始める傾向が一番大きかったかなって思われます。
◆『迷い猫オーバーラン!』だけは既に第1巻からリアルタイムで読んできた根っからの原作ファンでしたので…… アレは実験アニメ過ぎて評価が難しいデス。
雑誌『フェブリvol.2』にある酒井伸和さんによる解説を読んでますけれども、 かなりアニメ監督の作風経歴とかを実際に見て知らないと理解できないんじゃないかなぁって (ここ最近にやっと新房昭之監督とかの作風はセンス的に分かってきたかも? って思いかけてるけど)。
原作の雰囲気を一番良く出しているのは矢吹健太朗さんのコミカライズの方でしょう。
原作は今年は2冊だけ刊行されてますが、海外に飛んだり、乙女姉さんに婚約者が現われたりと、 毎度のように大騒動してますが、人情溢れるところがしっかりとあるから安心して読める作品なんですよね。
◆『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、 アニメ放映から物議を醸した事がきっかけで原作を知ろうと読み始めたラノベでしたが、 まさか放映始まった10月の間に既刊全6冊を読破してしまったぐらい見事ドップリとつかっちゃうとは想像もしなかったわ(苦笑)。 ああ、PSPの限定版も予約済みだよ(爆死)。
この『俺妹』は、ハードコアなオタクの妹もゴスロリ黒猫も長身メガネの子も真剣に趣味を楽しんでいる事が描かれているだけでなく、 実は横の繋がりというのもしっかりと描かれているんじゃないかなって思います。 そのあたりの協調とか軋轢が悲喜交々のドラマを作り出していると(ただし、エロゲは18歳以上からだけどね)。
あやせのヤンデレっぷりがマジでヤバイ(苦笑)。それはそれとして、加奈子にしても意外な姐御肌気質は好感度を挙げたかなって。
秋葉原などのリアルな舞台が登場しますが、夏のコミケの時期にしか滞在していないウチにとっては、 半分リアリティあり、半分ファンタジーな世界のように感じてます。もしくは一回り若い世代が主役たちだから、 そういった世代的な距離感もそう感じさせられるのかも。正直彼らと秋葉原が羨ましいです。
今期のアニメ放映では原作の途中までが描かれるそうですが、 沙織の正体とか新キャラ登場、黒猫の大攻勢とこの先の出来事もアニメ化して欲しいので第2期是非とも!!
(と、ここまでで「人情」「横の繋がり」という共通項見つけた。……なんかウチはそんな雰囲気を渇望しているのかも?)
◆毎月一時間一話放映だったアニメ『刀語』(西尾維新さん)だけは、 原作全12冊という量を見ただけでお腹いっぱいなのでまだ読んでない(汗)。 アニメは……あ~先月の第11話、なんで録画セットしてたのにエラー起こしてたんだ~(涙)。
代わりに同じ筆者の『化物語』シリーズ最新作『猫物語(黒・白)』は読んでます。 こちらは(白)で新シリーズに入ったそうで、今月出る『傾物語』や来年にかけて続刊が続くんだそうな。
『猫物語 黒』、80ページをファイヤーシスターズとの映像化かなり困難な馬鹿話で消耗した後からが本番。 羽川翼と阿良々木暦のゴールデンウィークにあった出来事、 それまで文章化されていなかったその空白がこの小説で明かされてます。
『偽物語』後のエピソードという『猫物語 白』は、羽川が一頭の虎に出くわしたことから始まるんですが、 『アニメコンプリートガイド』の短編ともリンクしていたり、次回『傾物語』ともリンクしていると露骨に匂わせたり、 阿良々木暦が
新シリーズの数冊ほどは同じ時間の別の場所での事件を描かれるみたいなので、 その結び付きを見つけていくことも今後の楽しみ方となるんでしょう。
それはそうと『新本格魔法少女りすか』の最終巻はまだでしょうか。
※また、今年のウチの傾向の一つは、全く手を出した事の無い作者の作品を手にしている事かもしれません。
◆電撃文庫『死想図書館のリヴル・ブランシェ』は、 当初は黒い髪の綺麗な人が表紙だったし、失われた書物を扱う作品らしいからって理由で手にしたシリーズです。
すでにこちら(文系アクションと黒髪メイドさん)で触れてるんで詳細はカットするけど、 死書の持つ能力を駆使していく「文系アクション」は必見です。今後の展開にも期待したい作品でしょうか。
電撃文庫『死想図書館のリヴル・ブランシェ』(1~3)
著:折口良乃さん 絵:KeGさん
◆電撃文庫『平安鬼姫草子』は……男性キャラがやたらと目立っているんで、ある意味、 男性向けラノベっていう雰囲気でもないし、イラストの絵柄もそんな感じがします。 そしてその中身もまるで現代語訳された古典を読むかのようです。
しかしながら、坂上田村麻呂と鈴鹿御前の血を引く快活可憐な姫君・結鹿と従兄の坂上鈴城、 その周りにいる悪友らが 平安の都で発生している怪異を解明しようと挑み立ち向かう姿はアクション溢れてますし、 姫君の隠された血筋には本当に切なくなります。
事件の真相は、それこそ本当に切ないものがありますので、これは読み得てみてください。
出来れば彼ら彼女らの活躍する新しい話も読めれたらいいんですけど、 あまり刊行時も話題を耳にしてないくらいマイナーなんですよね。ウチ的には隠れたお勧めラノベです。
イラストの方って今日店頭に並んでた『新・週刊マンガ日本の歴史 安部清明』(朝日新聞出版)でコミカライズ描かれてたんですか!
電撃文庫『平安鬼姫草子』
著者:黒狐尾花さん 絵:さらちよみさん
◆GA文庫大賞奨励賞作品『月見月理解の探偵殺人』 は「探偵殺人ゲーム」というチャット参加型推理ゲームなどを題材にした、 信頼と裏切りがエンドレスゲームのように続いている心理戦ゲーム的・探求型ラノベ、ですね。
隠されていた素顔とかが突然現われたり、事態が急変するなど、 ハードな展開に常に凝視する必要があるそんな精神的には結構疲れる感じではあります。
登場キャラもドSで冷酷凶悪天才頭脳な車椅子の探偵少女・月見月理解に、 特殊能力を持つ何人もの人物、異質・奇質な怪人物たちと、とにかくいい性格している人物が多すぎ。 理解にいたっては挿絵が更に凶悪性を増長してますし(苦笑)。
かなり人を選ぶ作品ですが、一端その「探偵殺人ゲーム」にのめり込んでしまったら続きが気になって行く事が必然なんで、 取り扱い注意です。
GA文庫『月見月理解の探偵殺人』(1~4)
著: 明月千里さん イラスト:mebaeさん
◆スニーカー文庫『菜々子さんの戯曲』はこの半年の間に2冊刊行されてます。 第1巻は今年の8/3まで全文無料Web公開とかあったそうですが、 残念ながらウチは夏コミ準備とか暑さダウンでアクセスする余裕が無くって見逃しております。 で、秋になってようやく読み始めたと。 帯に「可憐で快活で、ちょっぴり陰険(第1巻)」「“菜々子さん”の暗躍は止まらない!(第2巻)」と書かれている辺り、 一筋縄ではいかないヒロインが登場するんだなぁって思ってましたが想像以上でした(苦笑)。
第1巻では長年入院生活をしている少年を主人公に、 小学生の頃の回想、そしてその3年前、 入院のきっかけとなった校内での事故を振り返っていくのですが……。
病室と過去という閉鎖空間の中、見舞いに来る菜々子さんとあの時現場に居た菜々子さんとの会話、 少年の記憶を元に推理していくうちに事故の真相に近づいて、いく。
この作品のヒロイン「菜々子さん(仮名)」についてはその第1巻の初版に多分付いている筈の帯(2010年8/3まで全文Web公開と告知されてる) に説明ありますけど、いや確かに「陰険」です(笑)。 というか、何でも思い通りにしようとするような策謀家的な性格だ。
そんな彼女に陰で振り回されながら真実と偽装が入り混じる中で真相に近づいていく、 そんなストーリーを体感できるラノベでしょう。しかしその真実と意図は菜々子さんだけが知っているって所がまた立ちが悪い(苦笑)。
この表紙絵や挿絵を描かれた方ですが……今年の夏コミで会場買いした『けいおん!!』本出されてた方でした。 また今月になって『失われた未来を求めて』エンディングロールでも着彩スタッフでその名前を見るとは思いもしなかったです。
スニーカー文庫『菜々子さんの戯曲』(1~2)
著:高木敦史さん イラスト:笹森トモエさん
◆MF文庫『101番目(ハンドレッドワン)の百物語』 は涼香さんのビジュアルからは直ぐには都市伝説ホラー物だとはイメージが湧きませんが、 「百物語」とあるように(ちょい)ホラー物です。 違う。主人公・一文字疾風クンが女の子をゲットしてハーレムを構築していく物語デス(説明的には間違いない)。
主人公の背後に立ち、チクチク背中を突いてくるし、Dフォンひとつで何処からでも背後に現われる 「月隠れのメリードールズ」に、魔女とか胸の大きいツインテとか。
能力のネーミングも結構好みかな。「人食いの村(カーニヴァル)」「魔女の口車(ウィッチロア)」 「妖精の神隠し(チェンジリンク)」「想起跳躍(リンガーベル)」といった感じです。
疾風クン「俺の物語にならないか?」って見境なし過ぎです。でもその命懸けの懐の深さに好感と羨望だね。
緊急事態であろうと無かろうと交わされるボケとチクチク刺さるツッコミの遣り取りも、 ウチ的にはその加減がよろしいようで、むしろそれが一種のリズムのよう。
第2巻の終わりの様子だとまだまだ続くっぽいので、次回はそこの双子の並んだ挿絵と活躍の場を、 それから何か裏設定ありそうな七里詩穂生徒会長の再登場を願いたいですね。いえ勿論ハーレムメンバーにも!
『101番目(ハンドレッドワン)の百物語』(1~2)
著:サイトウケンジさん 絵:涼香さん
「人情」「横の繋がり」「ある意味イイ性格しているヒロイン」「事件解決」
大体の作品でこれらの記号のいくつかが合わさるみたい。 来年もその指針で好みそうなラノベに当たってみるといいのかも。
【今年書いた感想】
◇ここ最近の購入物と『迷い猫オーバーラン!8 I'll let you adopt me!』
◇スーパーダッシュ文庫『迷い猫オーバーラン!(9) わたしがみんなに護られてるの♪』
◇女の子に「振り返ったら殺す」って追いかけられるフォークロアなラブコメ! サイトウケンジさん『101番目の百物語』
◇電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1巻を読んでみて
◇文系アクションと黒髪メイドさん 電撃文庫『死想図書館のリヴル・ブランシェ』
※その他にも読んでいるラノベいくつかあるんですが……。
電撃文庫『俺と彼女は魔王と勇者で生徒会長』
電撃小説大賞最終選考作だったのが他の作品から転用したテキストが使われていた為に回収されたという、 ある意味今年のラノベでの問題作の一つです。回収された所為でアキバで夏にプレミア付いてるのを見たよ。 ウチは盗作された作品を読んだ事が無い為、それがそうとは気付かなかったんだけど、 他人の作品のシーンを探し出しテキストを写す作業をする暇あるなら、そのシーンを思い浮かべて自分の言葉で描いた方が遙かに早いのに、 なんでそんな無駄な事をしたんって思うんですよ。盗作部分ではないテキストとか全体的な話自体も、正直、 続き書けって思うくらい放置された設定があって、気持ち的には(準備されていたらしい)続編を出して欲しかったんですが(もう無理デス)。
電撃文庫『神様のメモ帳』(著:杉井光さん 絵:岸田メルさん)
ツイッターで気になる作品といったら各方面から「いいから読め」と言われましたので、 今月後半になって読み始めている既刊のシリーズものです。今はあと少しで第1巻を読み切る感じですが、 仲間たちと協力し合いながら事件を解決していく姿とアリスの儚さが印象的で、 年明け以降にかけてこれから読み進めて行きたいなって思っている次第です。
※ハード読者に比べるとまだまだでしょうけど、今年はこのように新規開拓で読み始めている作品が多かったという事です。 加えて、余り周りでは話題にならなかったけど面白かった作品でもあります。
この読書欲の勢いと好みの傾向を指針(逆指針にも)に2011年も様々な作品を読めたらなって思います。 また面白い作品との出会いを。
あと……自分の方でも今抱えているプロット(『フォアテリ』二次創作)を早く形にしたり、 来年夏コミの出し物ネタを捻り出したりしないとねorz
(2010年12月25日 1:15 数日かけてやっとorz )
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