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2011年4月26日 (火)

『魔法少女まどか☆マギカ』第11・12話を見た後の反省会。誰もが本当は仲間だったんだ……。

(ニコニコチャンネル『魔法少女まどか☆マギカ』)

※ニコニコチャンネルでやっと見れたよ~。
 午前3時過ぎにやっとコネクト、 それからデータの読み込みをしている間に寝てましたが6時ごろに動画のプレイヤーに2話分の視聴準備が出来てました。 で、そのまま起きて見てましたらもう7時とか(苦笑)。今日は途中で昼寝してそうデス。


※第10話はほむらの真の姿とQBとの確執、そしてまどかだけを守ろうとした執念が描かれてましたが、 そこではこの作品セカイの構造的仕組みも明らかとなりました。

(以下ネタバレ踏み込みます)




◆そのおおまかな結末については実際に放映の方を見ていただくとして、 とりあえず今回は先月に書き綴った第10話の整理とワルプルギス戦に勝つ方法についての反省会をorz

「ワルプルギスを倒す」という目的は
全く状況の解決にはならなかった。

 というか魔法少女の戦力数は事態解決の上では関係がない。つまり魔法少女が5人揃おうとも、 そしてまどかが魔女化しないように攻撃力調整できるような経験値を考える必要は無かった。

 これは先日見かけている 「「まどか☆マギカ」は敵を殺そうとした者は幸せになれない話である」 という捉え方が正しかったっていう事ですね。
 なお、第8話で明らかとなる魔女の正体を知った上でこちらの考察見ると、 第3話でのマミさん対魔女シャルロッテ戦の様相が全く異なってきますな。 また同時に、マミさんの持つ魔法少女と魔女の情報が真相にまで届かず不十分であり誤解したままだった事が改めて明らかとなります。


 そういえばほむらが魔女と戦っていた場面って、 【5周目】では意外と少なかったりします。第3話でマミさんを殺したシャルロッテを倒した他はワルプルギスに対峙しただけですね。 他は絶望して魔女化の予兆を見せ始め始めたさやかを殺そうとした事ぐらい。QBは1回半殺しして1回殺してるか。

【4周目】では「もうまどかには戦わせない 全ての魔女は私ひとりで片付ける」 と呟き、ほむらは率先して魔女を倒してましたから、 一概にマミさんだけがこのセカイのルールを誤解していた訳ではないかな。
「魔法少女が魔女になる」という真相を【2周目】の結末で知って一番真実に近かったほむらも、 「多くの犠牲を出さないようワルプルギスを倒す」そして「まどかを守る為」という目的(希望)に固執した結果、 ただ守る為に魔女と戦うだけの存在に陥ってしまっていたんですね。
 だから【5周目】では 大量のバズーカに迫撃砲や88式地対艦ミサイルの陣地というおっそろしい火力でワルプルギスに立ち向かおうとした んですが……その最大火力を持ってしてでも倒せないんですから、そりゃあほむらも絶望しますよね。 加えて時間遡及能力によってまどかの魔法少女としての力が寧ろ強化されていた(まどかの因果が増強される) というQBの囁きによって退路も断たれてるし。


 第10話はすっかりほむらの闘争の日々って捉え方になってしまってましたよ。騙したのね、あたし達を(笑)。

 ワルプルギスを倒しても、そして倒そうとして敗れても、 「多くの犠牲を出さないようワルプルギスを倒す」事も「まどかを守る為」事も果たされない。


 そんな閉塞感を打開する答えを手にしたのが「魔法少女まどか」だったのですね。
 ほむらの苦難に満ちた闘争の日々、そしてその希望は決して無駄ではなかった。 ほむらが背負ったまどかへの気持ち、何人ものまどかの願いがあったからこそ、この【5周目】のまどかが居たと。

【5周目】のまどかは一見、戦おうとする姿を(ほむらに阻まれてたといっても)見せようとしない弱々しい存在ではありましたが、 魔女を倒して多くの人々を守る正義の味方のような魔法少女同士が争う事への疑問、 みんなと仲良くしたいっていう気持ちが誰よりも強くありました。 ただマミさんが敗北した際のほむらの行動をさやかに理解して貰えなかったり、 そのさやかとも仲違いしたりと、本人の気持ちは相手にどうしても届いてませんでしたが。
 しかしながら、みんなを大切な友達と思う気持ちの強さは誰よりも強かったはずです。 だから何度もほむらの元に赴き説得したりしてました。

 また、魔法少女の真相やQBの思考・手段・目的に対する疑念もまどかは抱いていました。 QBとの生命倫理観の違いだけでなく、 ソウルジェムと引き離されたさやかがいっぺん死んだり絶望から魔女化したりしたのを目の当たりにした事によって、 【5周目】のまどかは魔法少女に対する当初の憧れもイメージも完全に打ち崩されたでしょう。

「駄目だよこんなの。絶対おかしいよ」
「ひどすぎるよ」「そんなの駄目だよ」

 よくよく考えると、【5周目】のまどかって疑問の言葉や間違っていると思うという指摘を 弱々しい声でですが常に投げかけてましたよね。
 もしかするとこれも第11話でQBが推測した、ほむらが時間遡及する事によってまどかが増幅された成果だったのかもしれません。
 仲間みんなを守りたかったまどか、まどかだけが守りたかったほむら。

 二人のそれぞれの思いの違いが、 最大の魔女「ワルプルギスの夜」とどう向き合うのかの違いとなって現われたと言えます。 ほむらにとっては魔女たち全ては倒すべき敵であったのですが、 「数多のセカイの運命を束ね、因果の特異点となった」最終回第12話の【5周目】のまどかにとっては、 魔女もそしてワルプルギスの夜も、元は同じ魔法少女だったのだから少なくとも敵ではなく、 可能なら手を差し伸べ助け出したい相手だと見ているのです。


「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい。
全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女をこの手で」

※まどかが魔法少女になる為の願いはウチの予想を遙かに上回るスケールでしたわ。 微妙なネタバレで「まどかは神になった」っていうのを事前に目にしたけど、確かにもうそう言う他ないよ。 だってその願いはこのセカイの根本に対するルールブレーカーでしたから。

 元々、少女がQBと契約して魔法少女となり、それが絶望したりソウルジェムの澱みを溜め込んだり、 力を暴走させるなどした場合に魔女と化し、 その魔女を倒す事で発生するグリーフシードをQBが食べて回収する、ってサイクルが存在していたわけですが、 これが言わばルールとして存在していたんですよね。

 しかし、まどかによるこのルール破壊は「魔女が生まれる瞬間にまどかがそれを消してしまう」というもの。 将にQBの目的のレベルからひっくり返された訳です(苦笑)。

 ただ「魔女」に代わり、それよりは小物の「魔獣?」のような存在がそのセカイにはあるようで、 以前よりは不効率にグリーフシードを回収出来るようではありますね。
 魔獣?は人の世の瘴気(恨みとか負のエネルギーかな)が集って発生し、 倒すとグリーフシードみたいなのを残すみたいです。
 そもそも「魔女」は魔法少女の成れの果て以外にも、グリーフシードが孵化することでも発生するそうですが、 後者が力を弱めて「魔獣?」として存続したという事なのでしょうかね。

「魔法少女だった魔女」の存在自体は決してゼロになった訳ではない。多分、 魔法少女が倒れてしまった時に変化してしまう瞬間よりも前に「神」のような存在となったまどかが駆けつけて、 魔法少女が魔法少女のまま召されるよう施しているんでしょう。
 魔獣と戦うセカイで、さやかだけが魔獣に倒されてしまった時がその瞬間、そしてその時にだけ、 魔法少女は伝説の魔法少女となったまどかに出会えると。


 まどかの強い願いの代償によって超然的な姿となったまどかはこのセカイから存在を消し去ってしまいました。 この結末は決してほむらにとって本当に望んだ結末でもないのですが、でもきっと絶望していないと思う。 例えいつか自らが敗れて召されるとしても、その時にまどかに再会しても恥かしくないよう 魔法少女として胸を張って生きていきたとそんな強い決意を秘めているに違いないですから。
 ……という解釈に立てば、新しい世界でも早速死亡しているさやか(汗)は即座にまどかと再会できたんだから一応は救われたと言える…?


◆ラストシーンでのほむらについて、魔女の異空間のような歪みを翼のようにまとっているのを見ていると凄く不安を覚えたんですが、 そもそも魔女なんて存在しないのだからこのような異空間を発生させられる事自体がかなり謎です。

 謎といえば担任の先生ってまどかのママと友人らしくバーで再会しているようでしたが、 かなり親しい間柄での相手を呼び合っている事から察するに……もしかして同い年? ママの娘が中学2年生だから先生の年齢は(以下略


◆3月に記した第11話からの展開予想は以上のように根本レベルで読み違えているんだから大ハズレでした(苦笑)。
 というかツイッターで放送する数日前にも、 ほむらの楯にデンドロビウムみたいに武器が積めばワルプルギスぐらい余裕?(呟き) とか マミさんみたいに無限の剣製のようにポポポポンとライフル出せれるようになれば効率的に火力を連発できる…か(呟き) とか妄想したけど、やはりバズーカとか銃は手で持てるだけですよね~。
 それでも時間停止能力使えば、魔女戦で一度時間を止めて大量の武器を楯からひとつひとつ積み出し、それから行動をはじめるという事も出来る(呟き) とは想像したけど本当に実践するとは(苦笑)。 周りに大量にバズーカを用意してるなんてなんと言う実弾至上主義者なんだろうかと(笑)。
 時間停止の間に魔女に標的を合わせた自律行動兵器を複数組み立てておくっていう手は、その構築能力といった専門知識が無いと無理(呟き) といった感じでさすがに無理やろ~って思ってた陣地構築(迫撃砲陣地とか88式地対艦ミサイル陣地とか)までやってのけるとは、 虚淵玄さんの話の展開は『アイゼンフリューゲル』(小学館ガガガ文庫)の時もそうだったけど予想の斜め上を遙か遠くに逝ってしまい、 その予想はまさに不可能だと改めて認識した所です。『アイゼンフリューゲル』や『Fate/ZERO』と、 主人公扱いのキャラって何かしら現世とかけ離れた存在に昇華されている気がします。


 この『魔法少女まどか☆マギカ』は、 製作発表当初も一般的な幸福感のあり得ない深みのある結末を描く事の多い虚淵玄さんのシナリオと可愛らしい蒼樹うめさんの絵柄という 食い合わせの悪そうな組み合わせで注目を集めてました。
 そして実際、色々な意味でシリアスでサバイバルな『血だまりスケッチ』状態でしたし(苦笑)、 今年最初のアニメの中でもかなり語られている事の多い作品であったかと思います。

 アニメがオリジナル原作だという事で先の展開が読めない上に、 それでも見える筈の予定調和という道筋すら想像し得ない事態を引き起こして捻じ曲げてしまう、 そんな先が全く見えない展開であったからこそ、 コミック版が瞬殺されたり主題歌CDがヒットしたりするなど話題性を持ったアニメとなったんでしょう。

 あと、BSデジタルや地上デジタルでの放映が無かった広島住民的に言えば、 ニコニコチャンネルでの配信があったからこうして作品を見て語る事が出来たんですよ。 そういう意味でニコニコチャンネルでの公式配信には大変感謝してます(出来ればテレビで見たかったけどね)。

(2011年4月26日 13:24 まどかは魔法少女界のワルキューレとなったという事かな)

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