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2011年8月 4日 (木)

「PS3『FORTUNE ARTERIAL』とPSP『伊織の野望』開発中止」に寄せて

 (AUGUSTARIA   記事リスト:今日のユースティア)

※その情報は仕事の休憩中、ウチのはてなアンテナで公式ページでの情報を捕捉して知りました。


 AUGUSTでの開発中止告知
 PS3『FORTUNE ARTERIAL』公式ページ 開発中止告知


 今回よりも前に既にPSP『伊織の野望』の公式サイトが消滅してましたが、その頃はまだ、 『伊織の野望』はPS3『フォアテリ』のミニゲームか初回版とかの特典物になるんじゃないのかな、 と割と楽観視していたんですけどね。

 アニメ放送も終わり、オーガスト最新作『穢翼のユースティア』も発売となり、 児玉さんのコミカライズの方も『コンプティーク』7月号で最終回を迎え (最終巻『FORTUNE ARTERIAL(7)』は9月26日発売予定)、 で、「PS3はどうなったんだろう?」と、今度のコミケでの最新情報に期待を寄せてた矢先、 今回の発表が示されたんですよ。 (そう突っ込まれるよりも先に回答を示したというタイミングなのかも)

 開発中止に至った経緯については、これ以上の内部事情が公として明かされる事が無い限り、 ユーザー側は知るすべは無いわけですが、恐らくはこの1点に集約されるんじゃないでしょうか。


◎高価だとされるPS3の開発環境

 既にPS3で2作を発売し、1作の発売を控えているアクアプラスさんの場合は、 多分、1作目の『ティアーズ・トゥ・ティアラ』をPS3で発売され(続編も後日発売)、『ホワイトアルバム』発売も決めた時点で、 もう『トゥハート2』のPS3移植を視野に入れてたんじゃないでしょうか。
 今では更にPS3で『うたわれるもの2』『ティアーズ・トゥ・ティアラ2』も予定されてますね。
 そのような感じで、PS3でタイトルを出し続ける覚悟を早々になされた上で高価とされる開発環境に投資し、 その開発環境コストをそこで開発するタイトル数でフォローされてたんだと思います (「モーションポートレート」という技術も同じような投資だったのでしょう)。
 なお、ショップの現場で見ている感じでは、いずれのタイトルも発売日初動も好調だったと記憶してます。


※それに対して角川書店やARIAはどう見ていたんでしょう?

 もしPS3で『フォーチュンアテリアル』が発売されたなら、過去のPS2・PSP移植作及び原作PC版の実績から見ても、 上記のアクアプラスさんの作品と肩を並べるぐらいは行くものとウチは確信してました。
 ただ、(移植決定の頃は余り気にしてなかったんですがorz)もしその1作の為だけに開発環境を整えるとなると、 その売り上げだけでどの程度の投資コストを埋め合わせて利益を出すかという問題が生じます。 これが問題となったのではないでしょうか?

 もしかすると他から開発環境の協力を得る(借りる)という事をされたのかもしれません。 角川書店だと他にも『涼宮ハルヒ』もPS3でリリースされてますからそちらから借りられたかもしれませんし、 同じくPS3の開発環境を持つっぽいアルケミストの協力を得ていたのかもしれません。
(この協力関係についてはPS3版が発売されてエンドロールを見られたときに初めて判るんですけどね(汗))
 それでもフォローし切れなかった事が今回の決断となったのかも。


※そういえば先日にGN SoftwareがPS3で『涼風のメルト』の移植をゲーマガで発表されてました。 割と冒険的だなとウチは当初は見てましたけど、アクアプラスでの例を見るとある意味現実的な進出にも感じました。
 現在、PS2というプラットフォームはPS3にPS2の機能を組み込もうとされない事も後押しして新作はほぼ終息しつつあり、 代わって携帯ゲーム機でのギャルゲが定着した状況ではあるのですが、 それでも家庭用据え置機という大きなモニターでプレイできる利点はあります。 というか携帯機の画面サイズは小さいですし、外でのプレイは別の意味でちょっと無理っぽいデス。
 実際、PS3も既にかなりのシェアを占めてきてますから、その市場への進出は検討に値するでしょう。 そしてGN Softwareは、複数のPCメーカーのタイトルを移植している実績があります。
 先のアクアプラスの例のように、開発環境に投資するだけでなく複数の作品に活用する見込みがあると考えたからこそ、 PS3への進出を決心できたんだと思います。今後は『涼風のメルト』だけでなく『水月 弐』もPS3での発売を予定してるみたいです (『水月 弐』はエロゲ化しないのかな)。

※話をPS3『フォアテリ』に戻しますが、結論としては開発環境の投資に見合った利益を得られるかという事と、 その環境を使い続けられるのかという問題が現実味を帯びて今回の開発中止に至ったのではないかという推測です。

「発売時期の問題」については、昨秋のアニメ放映と連動させれば確かにタイミングよかったと思いますし、 新ヒロイン・東儀観夜の発表以降、情報が途絶えて間がかなり開き、話題性を薄めさせてしまった事から、 時期を逃した感はあります。ただ、それでも『穢翼のユースティア』発売後に仕切りなおした上で 再始動してみてもよかったんじゃないかなぁとも今も感じてますが。

 PS3ではこうなった訳だけどウチ的には 『夜明け前より瑠璃色な』をリリースしているPSPでの『フォーチュンアテリアル』発売はまだ可能だと思ってます。


 この開発中止となったPS3版では「東儀観夜」という新ヒロインが用意されてました。 個人的には彼女のシナリオがどういった感じで原作に絡められていたのかが凄く気になってますから、 そういう意味でもこのまま黒歴史化するのだけは避けて欲しいと思ってます。 PSP化が無理でもせめてPC版ファンディスク(もち18禁化で)とかでの収録を~。

 新ヒロイン東儀観夜のストーリーははたしてどういった内容だったんでしょうね。  そもそも彼女が東儀家の者となれば、同じ姓の東儀征一郎・白の兄妹との関係も絡む事から、 その辺りの設定を新たに書き起こす必要があるかもしれません。
 原作でのエピソードのどこから登場し、話に絡み、そして彼女のルートに派生するのか。 特に序盤においてはそういった隙間が割と少ないようにも感じてます。 原作に追加シーンを挟むとなれば、場合によってはその前後などを書き換える必要も迫られるかもしれないです。 ただ、一端彼女のルートに分岐すれば他とは独立したエピソードには出来るかもしれません。
 個人的には既存のヒロインルートにも絡ませるとどう化学変化を起こすのかにも興味あるんですけどね。


※で、あの『伊織の野望』とは一体なんだったんでしょう? 余りに謎過ぎるんで、 これもこのままマウンテンサイクルに埋蔵される事無くファンディスクとかで掘り起こしてほしいですね。


※とりあえず、時期的に見て今度発売される『コンプティーク』最新号辺りで何らかの発表があるのかもしれないです。 今後はオーガスト・ARIA公式サイトかそういった雑誌誌面での公の情報を待って様子を見ましょう。 もしかすると何か新たな進展が見れるかもしれないですから。
エンドーさんが反応まとめされてました

(2011年8月4日 0:26 仕事先で作成したウチ手製の移植告知POPも永久封印に……)

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