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2011年12月23日 (金)

2011年にウチが読んだ主なライトノベルはこんな感じ(その2)

ラノベ感想その1 を挙げた時にはまだシリーズ新作の発売がまだだったり、取りこぼしがあったりしましたので、 その辺りを中心に今年ウチが読んだ主なラノベの感想を挙げていきます。……その3も書かないといけないけど(汗)。

富士見ドラゴンブックス『STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス』
(著:海羽超史郎さん 絵:hukeさん
 最後に自称・鳳凰院凶真(オカリン)が自らをタイムループさせてしまった上巻(10年8月刊行 本文が大体556Pぐらいの分厚さ)、 その続きが冬に出るという事で待ち続けて待ち続けてやっと刊行されたのが3月でした。887Pというページ数はかなりだと思う (もっと凄い分厚さのラノベもありますけどね)。

 話の内容的には何度もタイムループしながら、 正解にいたる為のフラグを回収して正解ルートを見つけ出していくという過程が綴られていて、 それはまるでゲームを攻略する為の作業の様でしたが(勿論この原作はゲーム作品ですが)、 それに至るまでの数々の失敗や惨劇が時間を遡りなおす事で回避されたり「なかったこと」にされても、 相手の死を含めてその全てをオカリン自身は記憶として背負い続けている事から、 物語全体にかなりの重みを与えているなって感じました。

 しかしこの作中には数々の仕掛けが施されてましたよ。 後になってその事と目の前の事とがリンクしていると知らされた衝撃を、ウチは何度喰らった事か!!

 ウチはゲーム未プレイでしたが、この春から始まったアニメ版は(ネット環境あれば国内全域で見れる) ニコニコチャンネルで全話見ております。話の流れは大まかに1本道という事でアニメと小説とでは展開などが似てましたので、 アニメで見つつ小説版で予習復習してました(苦笑)。

 文章的な表現では1行で2人の感情を描くように上端と下端に文章が寄せられてたりといった変わった事をされてたのも印象的ですね。

 原作ゲーム全体をフォローしているわけではないから、いずれの機会にPSP版をプレイできればなんですが。 それはともかく、小説本も厚みに負けないくらいの(オカリンが可哀想に思うくらい)重厚なSFループものとなってますし、 アニメの映像だけでは捉え切れない雰囲気も小説のテキストから解読できますので、 単にゲーム版ノベライズに留まらず、アニメ版の良質なノベライズ化作品と言えるんじゃないでしょうか。

◆同人誌『私と丸顔が大学の先輩と後輩でルームメイト』
(著:王子通信社:北区王子さん 絵:桂井よしあきさん
 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の二次創作小説ですが、原作より数年後、 黒猫が大学2年生で桐乃が大学1年生(!)となった頃が描かれていくという内容になってます。

 表紙や挿絵に描かれている黒猫見てると、大学生らしく成長してしまったなぁなんて思ってしまいます(苦笑)。 ですがこの小説では、黒猫が一人住まいする桐乃の所にルームシェアを始めていく中で、 あの頃と変わるところ変わらないところが丹念に描かれていきますね

 共同生活でのドタバタとか変わらない二人の会話のやり取り(苦笑)や友情関係など、 自分的には違和感ないどころかかなり惹き込まれながら(夏コミ2日目に手に入れてその日の夜までに) 一気に読んじゃいました。今でも手元近くに置いてある事からもお気に入り度の高さが伺えるかと。

 王子通信社:北区王子さんのサイトでは、 後日談となる『あたしの同居人がこんなに裸エプロンなわけがない』『あやせ、襲来』がオンライン公開SS作品(Pixiv)になってます。 内容的には読んでて激しく悶絶したりハラハラしたり……(Pixivに登録しなくても読めますが、同人誌本編を先に読んでからの方がいいかな)。

◆同人誌『死に至る病 -Sygdommen til Doden-』
(著:Monochrome/Type:小栗秀幸さん  絵:BLACKさん)
 こちらも夏コミで手に入れた同人小説です。 『魔法少女まどか☆マギカ』のマミさん本なのですが、内容はコワレテミナゴロシ…ではなく、マミられる話でもなくって、 言わば、初期型魔法少女ほむほむみたいに素人魔法少女だったマミさんが立派なベテラン魔法少女目指して頑張るという 「過酷な戦いの日々」が描かれてます
 彼女がその武器としてマスケット銃を選んだ理由、その戦法の誕生秘話など、 原作にある手掛かりを元にマミさんの過去を深く創作された内容となってますね。

 夏コミ3日目に購入しましたこの小説は、東京滞在中に少しずつ読んでたか覚えてないけど、 帰りの夜行バスにて消灯前までと広島到着前の明け方に一気に読み進めておりました。 マミさんの未来(アニメでの活躍)に至るまでの過去が上手く描かれてたから惹き込まれたんですよね。

 後書きによると「魔法少女マミ☆マギカのゆりかごから墓場まで」描く事を目標にされてるそうですから、 続きが今度の冬コミにでも出るのかなぁ。……って思いましたら、 その続きが夏コミ以降にMonochrome/Type:小栗秀幸さんで掲載されていたようです(汗)。 これは後で読まないと。

スーパーダッシュ文庫『迷い猫オーバーラン』 10~11巻  (著:松 智洋さん)
 10巻目が延期されまくってるなぁって思いながら続きを待ってたら挿絵が変わったりコミック版が打ち切られたりしてしまって(瀧汗)。 2010年のアニメが実験アニメ過ぎる上に原作からかけ離れ過ぎてて困惑しただけに (そう言いながら先日までの再々放送見てたけどさ)、『迷い猫』関連は変に祟られたような印象でした。

 そんな不安を抱きながら手にした10巻は、やや早足に事態が進行していくような印象が強かったですし、 「迷い猫同好会」の面々にも変化が現われたりしましたが、 お話そのものはこれまでの『迷い猫』と変わらない雰囲気でしたので正直安堵してしまいました
 その早足な物語進行については12巻目で完結という事情もでしょうけど、 11巻目を読んだ後では千世の事情もあったのかなって思いましたね。

『迷い猫』は総じて、立場的に対立したとしても最終的にはその関係も好転する、本当に悪い輩は登場しないという所と、 協力し合って悪い状況を打開していくという展開、そしてハッピーエンドに至るまでに様々な人たちが支えてくれる、 そのような周りの優しい雰囲気に包まれた作品だとウチは思いますし、その心地良さが好きなんですよね。

 作品についての印象がそのようにあっただけに挿絵を巡る今年の混乱には困惑しかありませんでした。 そもそも自分がこのシリーズを読むきっかけだったのは挿絵をぺこさんが担当されたからなのですから。
 絵柄がえらく変わり過ぎてしまい、戸惑いもしましたし購入を躊躇いそうにもなりました。 ですが、その挿絵参加の方々についてはそれなりに場面を描こうとされてるんじゃないですかね。 今までのイメージからの違和感はどうしても逃れられないんですけど。

 来年には出るはずの12巻でとうとう『迷い猫』は完結しますが……主人公・巧をめぐる駆け引きがどうなっちゃうのか(1巻からずっと読み続けてますから) やっぱり気になってしまいます。誰と結ばれるのか……いや、変わりないままって可能性が高そうだ(苦笑)。

◆電撃文庫『僕と彼女のゲーム戦争2』
(著:師走トオルさん  絵:八宝備仁さん
 こちらは1巻目が刊行直後話題になった後に手に取ってみて読んでみました。12月発売の2巻目は発売日に。

 ゲームとは無縁だった主人公が、拉致同然に(苦笑)「現代遊戯部」に入部し、初めてゲームをプレイしてみたら、 (読書の時に作品世界に没入する時のように)自分自身がその場でアクションしていると感じるまでに深く没入してしまい、 隠れたゲームプレイセンスを発揮する。だいたいそんな感じのお話です。

 ウチが特に関心をもったのは、普通の時と作品世界に没入する時とのテキストのノリの区分けと、 没入した時の臨戦モードのような緊迫感ある動きの描き方ですね。もしかするとゲームのリプレイを描く場合がこんな感じなのかも。

 ゲームに熱中すると「ファッ○ンローカスト」とかヤバイ単語(苦笑)を口走る現代遊戯部部長であり、 普段は凛とした生徒会長である天道しのぶや、講堂での部員勧誘演説で「諸君! 声優と結婚したくないかね!?」 って言い放ったけど(性格にはやや癖があるが)割としっかりしてるかもしれない顧問の瀬名先生、 自称《宵闇の魔術師》でありゲーム大会初代チャンピオンという権田原、 2巻から本格的に主人公らと絡んでくるツンデレな(笑)杉鹿まどかと、癖のある人物も多い。 そんな彼らもゲームリプレイ中には主人公よりも腕が立つので大活躍してます。

 1巻だと『スペランカ』や『Gears Of War』『アンチャーテッド』、2巻なら『ホームフロント』『ロストプラネット2』『Halo』など、 実在するアクションゲームが登場するっていう所もこの作品の売りです。 だからゲームのイメージも付き易いですし、リプレイ的なテキストを読んでいると実際にプレイしてみたくもなりますね。

 2巻の最後に登場する図書館の読書家なメガネっ娘って1巻目にも図書館の場面で少しだけ登場してたけど、 次の巻で彼女がどう関わるんだろう。1巻に少し触れられていた主人公の過去との伏線っぽいな。


※もう数冊挙げる準備してましたが、ここで一端タイムアップ。次のその3は来週の大晦日までには書きます。 それまでに今読んでる分は読み終えておきたいです。

(2011年12月23日23:45)



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