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2012年5月27日 (日)

「氷菓事件」がアニメでは6月に解決したという理由

※今朝にやっと録画してましたアニメ『氷菓』第5話「歴史ある古典部の真実」見ました。 これで原作《古典部》シリーズ1冊目『氷菓』および「氷菓事件」は完結です。


■気付いたというか気になった事がいくつかあるんですが、まずは経過する時間と出来事について。

 気付いたのは「大罪を犯す」という原作4巻目『遠まわりする雛』に収録のエピソードがアニメ次回第6話にあると予告編で知って、 「大罪を犯す」は「6月の出来事だったなぁ……アレ?」と何か引っかかったんですよね。

 原作では『氷菓』の話は1学期から夏休みに入って7月末ごろまでの出来事が 「氷菓事件」として語られてるんです。 その中の「栄光ある古典部の昔日」「歴史ある古典部の真実」が夏休み中(7月末)のお話となってます。


【大まかな原作小説におけるエピソードと時節】

 『雛』「手作りチョコレート事件」(2月)
『氷菓』「伝統ある古典部の再生」(4月内)
 『雛』「やるべきことは手短に」(入学から1ヶ月)
『氷菓』「名誉ある古典部の活動」(古典部再生から1ヶ月)
 『雛』「大罪を犯す」 (6月 古典部再生から2ヶ月)
『氷菓』「事情ある古典部の末裔」
『氷菓』「由緒ある古典部の封印」(1学期期末試験後)
『氷菓』「栄光ある古典部の落日」(7月末)
『氷菓』「歴史ある古典部の真実」(その翌日)

 『雛』「正体見たり」 (「氷菓事件」解決後の夏休み中)
『愚者』「試写会に行こう!」(夏休み終盤)
『愚者』「打ち上げには行かない」(夏季休暇終了後)
『氷菓』「未来ある古典部の日々」(文化祭が目の前)
『クドリャフカの順番』     (10月 3日間の文化祭)
 『雛』「心あたりのある者は」(11月)
 『雛』「あきましておめでとう」(正月)
 『雛』「手作りチョコレート事件」(2月 2度目)
 『雛』「遠まわりする雛」(春休み)



※今後の展開も気になるからこれを期に簡単にまとめて見ました。

 上記の通り原作では「氷菓事件」の間に短編「大罪を犯す」がきてます。 というか「氷菓事件」の調査から解決まで2ヶ月以上要してて、けっこう間が長いんだなと感じます。

 アニメでは次のような順番です。

【大まかなアニメにおけるエピソードと時節 (+アイキャッチ)】

第1話『氷菓』「伝統ある古典部の再生」 清明
第1話 『雛』「やるべきことは手短に」
第2話『氷菓』「名誉ある古典部の活動」 立夏
第3話『氷菓』「事情ある古典部の末裔」 小満
第3話『氷菓』「由緒ある古典部の封印」
第4話『氷菓』「栄光ある古典部の落日」 芒種
第5話『氷菓』「歴史ある古典部の真実」 夏至
第6話 『雛』「大罪を犯す」


「大罪を犯す」が6月のエピソードとして、だとするとアニメ第5話の出来事はいつの頃?  それについてはその前日である第4話を見直す事で確認してます。

□千反田えるの自宅庭園にある花菖蒲
 千反田えるの御家のモデルが話題になった数日後、先週に放映されたNHK『美の壺』のテーマが「花菖蒲」で、 その中で「加茂花菖蒲園」が紹介されてました。 番組ではこの花菖蒲の開花時期は梅雨の季節と解説されてます。
 梅雨といえば実際は7月にも掛かってますけどイメージ的には6月辺りです。

 と、確認する前に調べてみて6月の頃との推測まで至りましたが……第4話を見直すと次のことから明確になります(苦笑)。

□カレンダー
 えるが里志と摩耶花にも今調べている事について打ち明けた古典部部室のカレンダー、 そして千反田えるの部屋にあったカレンダーは6月と表示されてる。

 はい、これで確定です。というか以上の事以外にも「アイキャッチ」からも推察できたんですよ (気付かなかったのはウチだけかも知れんけど)。

□アイキャッチの2文字

 清明:4月5日頃  立夏:5月6日頃
 小満:5月21日頃  芒種:6月6日頃
 夏至:6月22日頃


 これらは「二十四節気」という生活暦だそうです。こんな所にもヒントあったんだなぁ(汗)。

 という事で「氷菓事件」はアニメでは5月頃の千反田えるの依頼に始まり、 6月に奉太郎が司書室で真相を解き明かし、えるの中で「解決」した事で終結しているのです。 そして次の事件「大罪を犯す」というエピソードに続くと。


 しかしアニメではどうして時節を変更したのでしょうか。

 原作では5月頃の千反田えるの依頼に始まり、夏休みの7月末頃に解決と2ヶ月以上の期間です。 間に中間・期末試験が絡むとしても、テキストを読んでいる時はそこまで気にかけてませんでしたが、 改めて見てみますと奉太郎たちは調べごとに対してかなり時間をかけている様に思えます
(原作側では「氷菓事件」解決までの時間の隙間に挿話として短編「大罪を犯す」を著したのかも)

 だから、アニメの方では間が空き過ぎないように1ヶ月ぐらいに期間を縮めておいたのかもしれません。 更には事件を調査している間に別の事件を挟むのは、話が「寄り道」してしまい散漫となるから、 それを避ける為に6月の「大罪を犯す」よりも前に「氷菓事件」を決着させる構成としたのかも。



■「未来ある古典部の日々」が第5話で省かれている事

「氷菓事件」の真相を奉太郎が解き明かした後の後日談となる「未来ある古典部の日々」は、 先の原作での時系列に示されてる通り、 10月の文化祭の少し前、古典部の新たな文集『氷菓』の作成がまだ終わってない頃となってます。
 アニメの方も文化祭エピソード『クドリャフカの順番』まで手掛けるのではと考えられてますから、 後日談はその文化祭の手前に描かれるものと推測されます。
 奉太郎による「氷菓事件」をまとめた原稿をえるが関谷純の墓に供えに行くという話に関しても、 同様に余談として触れられるんじゃないでしょうか。

 ただ、千反田えるの墓参りについては、 「事情ある古典部の末裔」の喫茶店でのやり取りの中でも千反田が「(伯父が伝えたかった事) を胸に伯父の葬儀を臨みたいのです」と訴えていた事から、 一区切りとして位置づけられているとばかり思ってました。

 しかしこの後日談では奉太郎は次のように述べてます、 千反田が関谷純の葬式や奉太郎による事件の原稿を受け取った時にも 「なんら感動を見せなかったのだ」と。そしてその訳を、 真相が解き明かされた時点で千反田の内面ではもはや「千反田の事件は解決」したからだと考えてました。  つまり、千反田えるの望みは真実を知る事までで果たされたのだろうという事です。

 ただしこれは千反田えるの主観ではなく、あくまでも奉太郎の客観的な見解。 この『氷菓』自体、全て奉太郎の一人称で語られてきてました。 それに千反田の見解は彼女の心の内にしかなく彼女自身しかわかりえないのだから、 片落ちとも思われますけどこれは仕方がない事です。

 これよりも前ですでに「千反田の事件は解決」して終わっている、後は窺い知れない彼女自身の内面。 これが「未来ある古典部の日々」が第5話で省かれたもうひとつの理由ではないでしょうか。


■OPが第3話に続き、第5話でもカットされた理由

 りきおさんが第3話のOPをカットした件についての意見について、 第5話でもOPが省略された事から、その必然性についても考えてみました……。

 原作にある「未来ある古典部の日々」が省略されたにも拘らず、 個人的な感想ではそれでも尺がぎりぎりにまで詰めざるを得なかったから、 やむを得ずOPを省略したのでは、ぐらいしか想像がつかないです。 OP映像と同じ尺の分、カットできるような無駄はウチには見当たらなかったですし (まだ1回しか第5話を見てないのでよくよく見れば少しはあるかもしれないけど、 まとまった時間となるかは不明確ですね)。
 または里志との真剣なやりとりもOPの曲調のノリと歯車がやや合わないからかもと。
 印象論という感じになってしまい明瞭な答えには至らないですね(汗)。

 EDがカットされた件については、あの二人の曲にあるメルヘンチックな雰囲気が 「氷菓事件」の真相が解き明かされた後の余韻にマッチしないからかなぁと想像してます。


※以上が、とりあえずウチの中で気になった部分でしょうか。

(2012年5月27日 22:08)



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