« 2023年8月25日 (金) | トップページ | 2023年11月16日 (木) »

2023年9月21日 (木)

『このライトノベルがすごい!2024』に投票してきました。

『このライトノベルがすごい!2024』に投票してきました。


※今回は作品へのコメントを頑張って書いてみました。とは言え、特に読んで間を空けてしまうと思い出すのが大変です。読書メーターで投稿してた感想などにも頼りました。

『このライトノベルがすごい!2024』での対象ライトノベルは「発売日:2022年9月1日~2023年8月31日」の期間に刊行された作品となります。

※『このラノ2024』では5作品を選ばないといけません。
 とは言え、この1年で刊行されたラノベは膨大ですし、自分が読んだラノベも結構な冊数となってます。

(参照)ライトノベル文庫でミステリー物はどれぐらい出てるんだろう?(19年12月~23年8月)

 ですので今回、5作品に絞り込むにあたって、個人的に次の条件を立てました。

(一)この1年ぐらいの新作であること 対象期間より少し前ぐらいから始まった作品という基準

(二)実績や評判が既に伴っている(続巻を4冊以上)か他の方からも支持を得られていそうな作品よりも、この1年の新規作品を優先

 以上の条件で候補から止むを得ず外す事になった作品について予め触れておきます。

『死亡遊戯で飯を食う』(MF文庫J)は趣向を凝らした女の子だらけの連続デスゲームを駆け引き交えつつ追体験する作品で22年11月刊行開始から1年も経たないうちに4巻も出てる急成長株だと思うので、結構他の方々からの支持を集めてるのかなと。

『ユア・フォルマ』(電撃文庫)は今春から読み始めて最新刊に追いついた所。ラノベでは珍しい近未来SFで刑事物ですが、こちらもアニメ化が決まるくらい人気を得てるはずです。数年遅れでやっと注目したので迷いましたが、去年のこのラノ応募期間直後に読んで早く読めばと後悔した去年7月と9月に連続刊行した新規の近未来SF刑事物『アマルガムハウンド』を今回推すことに。


※ここからは投票内容を記します。(敬称略)


●女性キャラクター3人
(1)獄門撫子 獄門撫子此処二在リ
(2)冷堂紅葉 不死探偵 冷堂紅葉
(3)笹葉更紗 僕らは『読み』を間違える

●男性キャラクター3人
(1)天内晴麻 不死探偵 冷堂紅葉
(2)テオ・スターリング アマルガム・ハウンド
(3)阿ノ玖多羅皆無 腕を失くした璃々栖

●イラストレーター 3人
(1)ぽりごん。 僕らは『読み』を間違える
(2)尾崎ドミノ アマルガム・ハウンド
(3)おしおしお 獄門撫子此処二在リ


●作品・シリーズ 5作品

(1)獄門撫子此処二在リ  伏見七尾/おしおしお 小学館ガガガ文庫
現代ものの伝奇的な雰囲気や苛烈さは、その発表の際に予感してましたが、想像や期待していた以上に苛烈鮮烈奇想天外で怒涛で、半分読んだ辺りでこれはもう「新たなる新伝奇が来た」と確信してました。京都が舞台の魑魅魍魎絡みばもはや元ネタ出尽くしてると思い込んでたけど、創作的な未知の怪異が躍り出てきたりヒロインの家系も絡みついたりしてて、完全に杞憂。そして特筆は相棒の謎の美女、無花果アマナですね。楽しそうに会話を交わしながらも中々正体不明で関係の波にハラハラですよ。その謎も含め様々な仕掛けがある本作は、伝奇的なラノベを渇望する読者に是非とお勧めしたい。それから更なる怪異巡りも期待したいです。

(2)不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で  零雫/美和野らぐ GA文庫
主人公の少年とヒロインが体育倉庫で起きた密室殺人事件を捜査し推理する過程が慎重かつ丁寧で学園探偵ものとして楽しめました。更に驚きなのは、連続したもう一つの密室殺人事件。ヒロインが殺された事件の真相とそのヒロインが不老不死だという事、そして主人公の持つ異能が、結果として事件そのものを無かったことにしたのです。更にはそういったちゃぶ台返しが有るにもかかわらず、その件を含めてアンフェアと感じない推理ものとなってた事でしょう。

(3)僕らは『読み』を間違える  水鏡月聖/ぽりごん。 角川スニーカー文庫
登場人物それぞれの読書と感想が心の内面として読者に告白されるけれども、作中の自分も相手や周りもその内面に気付かれず、だから誰からもまだ理解も出来ない。だから互いに「読み」間違えてしまうんだと。そうわかると、読み手の中に切なくほろ苦い青春群像劇が姿を現してくるのです。

(4)アマルガム・ハウンド2 捜査局刑事部特捜班  駒居未鳥/尾崎ドミノ 電撃文庫
戦火で非業の死を遂げた妹という傷とアマルガムへの嫌悪を抱えるテオと人型アマルガムのイレブン、そのアンバランスな関係が凶悪事件の捜査を進めるうちに次第に互いを知ろうとし、終盤の異形が支配する凶悪事件では互いに庇おうとする様に変化していくのも心地よかった。

(5)腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~  明治サブ/くろぎり 角川スニーカー文庫
悪鬼悪霊悪魔と交わり術で争い生きる世界観、そしてゴシックホラーと近代化した明治の雰囲気とが融合したようなやや重々しい古めかしい雰囲気の文体も含めて確固とした世界観が描かれてました。


※今回の傾向としては、読んでいるジャンルも偏ってますので(苦笑)ライトノベルでミステリっぽい作品を中心に選んでみてます。

「ライトノベル文庫でミステリー物はどれぐらい出てるんだろう?(19年12月~23年8月)」記事のリストより、この一年期間(22年9月~23年8月)のミステリっぽいラノベの刊行数が42冊と、前年度期間(19冊)から倍増していることからも、個人的には「ミステリ系」ラノベは今回の注目ジャンルになるんじゃないかなと期待してます……。

(2023年 9月21日 14:27)

|

« 2023年8月25日 (金) | トップページ | 2023年11月16日 (木) »