« 見失われたもうひとつの全訳『サラゴサ手稿』を求めて | トップページ | 2023年の「個人的重大ニュース」 »

2023年12月 4日 (月)

『このライトノベルがすごい!2024』ムック本内での結果発表。2023年度はライトノベルミステリー流行の兆し?

※先週『このラノ2024』発表とかありましたが、その結果がまとめられたムック本の入手に手間取り(というか広島での入荷が遅いので)、更に体調不良とかも重なってしまって、結果を受けての記事を書く暇というか、記事の方向性とか考える余裕がなくて、時間をかなり置いてしまいましたorz

「2023年度はライトノベルミステリー流行の兆し?」と打って出てはいますが……ジャンルでの刊行数の増加傾向ぐらいしか、自分としてはその推定を出すに至らなかった事だけは、先にお伝えしときます。

(関連記事)

ライトノベル文庫でミステリー物はどれぐらい出てるんだろう?(19年12月~23年12月暫定)
『このライトノベルがすごい!2024』に投票してきました。

 

  ◆  ◆  ◆  ◆


<<『このラノ2024』の2023年度各結果でのミステリー作品>>


【文庫部門BEST50】 50作品中10作品
2位★死亡遊戯で飯を食う。
7位★僕らは「読み」を間違える
10位 探偵はもう、死んでいる。
12位★不死探偵・冷堂紅葉
15位 薬屋のひとりごと
17位 スパイ教室
22位★シャーロック+アカデミー
24位★さよなら、私たちに優しくなかった、すべての人々
26位★十五の春と、十六夜の花
27位★獄門撫子此処二在リ

※【今年度新作BEST25】では25作品中、★の付いた7作品


【協力者ランキング トップ30】でのラノベミステリー
2位 死亡遊戯で飯を食う。
5位 僕らは「読み」を間違える
10位 十五の春と、十六夜の花
11位 不死探偵・冷堂紅葉
13位 さよなら、私たちに優しくなかった、すべての人々
17位 シャーロック+アカデミー
19位 獄門撫子此処二在リ

 

【協力者が選ぶ!ライトノベルBEST5】より、単純に作品が挙げられた回数で、ミステリー作品(と思われる)の投票数を集計

19 死亡遊戯で飯を食う
12 僕らは『読み』を間違える
8 不死探偵・冷堂紅葉
8 十五の春と十六夜の花
6 さよなら、私たちに優しくなかった、すべての人々
5 獄門撫子此処二在リ
5 シャーロックアカデミー
2 ミリは猫の瞳のなか
1 腕を失くした璃々栖
1 不可逆怪異をあなたと
1 30ページでループする
1  呪われて、純愛
1  薬屋のひとりごと

※以上の結果から見られるのは、【文庫部門BEST50】の中でミステリーものが10作品と1/5を占めていて7作品が新規作品だという事と、それ以外にも【協力者が選ぶ!ライトノベルBEST5】で色々な作品が紹介されていた事でしょう。


  ◆  ◆  ◆  ◆


<<2023年のラノベ界隈ではラノベミステリーは増えたか?>>

※2023年度の【文庫部門BEST50】でのラノベミステリーの割合は10作品でした。これが多いか他のジャンルとの割合比較まで出してないので比べようがありませんが、過去の【文庫部門BEST】(が掲載された各年度の『このラノ』ムック本)から比較することが出来ました。

2022年度【文庫部門BEST50】 50作品中3作
8位 スパイ教室
10位 探偵はもう、死んでいる。
33位 薬屋のひとりごと

2021年度【文庫部門BEST40】 40作品中4作
8位 探偵はもう、死んでいる。
13位 スパイ教室
34位★ユア・フォルマ
39位 薬屋のひとりごと

2020年度【文庫部門BEST40】 40作品中3作
2位★スパイ教室
4位★探偵はもう、死んでいる。
35位 薬屋のひとりごと

 もしかしたらミステリー要素もある作品の見落としもあるかもしれませんが、とりあえず21年度から23年度までの【文庫部門BEST】見つける事の出来たのは4作、去年から今年にアニメ化を果たしていた『スパイ教室』『探偵はもう、死んでいる。』『薬屋のひとりごと』、アニメ化が決定してる『ユア・フォルマ』でした。2019年度以前については手元にそれらのムック本が無かったので……

 特に『スパイ教室』『探偵はもう、死んでいる。』『薬屋のひとりごと』の3作品は2023年度でも【文庫部門BEST50】に挙がっているように安定した人気がある作品となってます。

 ちなみに3作品のうちの2作品が登場した2020年度(19年9月~20年8月)の新規タイトルのラノベミステリーでは、

【2019年】

11/25 MF文庫J
探偵はもう、死んでいる。(第15回ライトノベル新人賞 最優秀賞)

12/18 講談社ラノベ文庫
天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方 生徒会探偵キリカ 番外

【2020年】

1/18 富士見ファンタジア文庫
スパイ教室01 《花園》のリリィ (第32回ファンタジア大賞 大賞作を改稿)

5/25 MF文庫J
探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる

6/18 ガガガ文庫
シュレディンガーの猫探し (第14回小学館ライトノベル大賞 審査員特別賞受賞作)

といった5タイトルの作品が登場してました。『探偵くんと鋭い山田さん』『シュレディンガーの猫探し』は買って読んでましたね。更に言えば、2011年から続いていた『生徒会探偵キリカ』シリーズ10冊目に当たる最新作『生徒会探偵キリカS1』(現在出てるシリーズでは最新刊)が19年12/18に(番外編と同日で)講談社ラノベ文庫より出てた頃にもなります。

 参考に、2019年度(18年9月~19年8月)については刊行予定表でミステリっぽいタイトルかな~という感じでパッと見で調べてみましたが

富士見ファンタジア文庫 19年3/20
札幌市白石区みなすけ荘の事件簿 ココロアラウンド 辻室翔 霜月えいと

電撃文庫 19年7月10日
淫らで緋色なノロイの女王  著者:岩田 洋季 イラスト:鍋島 テツヒロ

という作品を見かけました(見落としありそう)。ただ、続巻が刊行されるような作品はこの年度では見られず、『探偵はもう、死んでいる。』までは出てないようです。

 となると、やはり2020年度の動向に、後のライトノベルミステリーの兆しが見えるのかもしれません。

 

 続いて、2021年度以降以降の新規タイトルを挙げてみます。

2021年度(20年9月~21年8月)のラノベミステリー新規作品(5作品)

【2021年】

12/19 富士見ファンタジア文庫
ナゾトキ女とモノカキ男。 未来を写すカメラと人体消失

【2021年】

1/14 GA文庫
忘れえぬ魔女の物語 (第12回GA文庫大賞金賞)

3/10 電撃文庫
ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒 (第27回電撃文庫大賞 大賞)

6/18 ガガガ文庫
楽園殺し 鏡のなかの少女

8/25 MF文庫J
また殺されてしまったのですね、探偵様


2022年度(21年9月~22年8月)のラノベミステリー新規作品(6作品)

【2021年】

10/25 MF文庫J
迷探偵の条件1

11/18 ガガガ文庫
霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない

12/24 角川スニーカー文庫
マーディスト ―死刑囚・風見多鶴― (上)

【2022年】

6/10 電撃文庫
明日の罪人と無人島の教室

7/8 電撃文庫
アマルガム・ハウンド 捜査局刑事部特捜班 (第28回電撃文庫大賞 選考委員奨励賞)

8/18 ガガガ文庫
SICK ―私のための怪物―


2023年度(22年9月~23年8月)のラノベミステリー新規作品(22作品)

【2022年】

10/7 電撃文庫
呪われて、純愛。

11/1 HJ文庫
EVE ―世界の終わりの青い花―

11/25 MF文庫J
死亡遊戯で飯を食う。(ライトノベル新人賞 優秀賞)

12/01 角川スニーカー文庫
腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~ (第27回スニーカー大賞 金賞)
僕らは『読み』を間違える (第27回スニーカー大賞 銀賞)

12/9 電撃文庫
君はこの「悪【ボク】」をどう裁くのだろうか?
パーフェクト・スパイ

12/20 富士見ファンタジア文庫
名探偵は推理で殺す 依頼.1 大罪人バトルロイヤルに潜入せよ

12/28 講談社ラノベ文庫
十五の春と、十六夜の花 ―結びたくて結ばれない、ふたつの恋―

【2023年】

1/7 電撃文庫
不可逆怪異をあなたと 床辻奇譚

3/10 電撃文庫
ミリは猫の瞳のなかに住んでいる (第29回電撃文庫大賞 金賞)

3/17 ガガガ文庫
お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?

3/25 MF文庫J
魔女の怪談は手をつないで 星見星子が語るゴーストシステム

4/7 電撃文庫
30ページでループする。そして君を死の運命から救う。

6/23 MF文庫J
シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する

7/14 GA文庫
不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で (第15回GA文庫大賞 銀賞)

7/25 MF文庫J
魍魎探偵今宵も騙らず

7/25 オーバーラップノベルス
シャーロット・ホームズは推理しない ~人狼って推理するより、全員吊るした方が早くない?~

8/01 角川スニーカー文庫
異世界転生事件録 人見知り令嬢はいかにして事件を解決したか? 1

8/18 ガガガ文庫
獄門撫子此処二在リ (第17回小学館ライトノベル大賞 大賞)

8/19 富士見ファンタジア文庫
超探偵事件簿 レインコード オレ様ちゃんはお嫁さん!? 1

8/25 MF文庫J
夏凪渚はまだ、女子高生でいたい。1 探偵はもう、死んでいる。Ordinary Case


 20年度から23年度まで見ると、それまで5~6作品だった新規タイトルが23年度では22タイトルと大幅に増えている事が分かります。

 ただ、続巻が継続的に出ているタイトルというと、上記の【文庫部門BEST】連続ランキング内の3タイトル以外ではかなり限られます。
『また死んでしまったのですね、探偵様』は4巻が刊行された22年10月以降続巻が出てませんし、伝奇アクションで勢いのあった『腕を失くした璃々栖』も2巻で完結。『シュレディンガーの猫探し』は全3巻で学校生活内から学園祭、更に田舎での因習伝奇と幅広くミステリーしてて良かったので次回作を心待ちし続けているのですが……。『アマルガム・ハウンド』3巻目が……カクヨムの方で23年4月に完結編が公開されてました『忘れえぬ魔女の物語』もコミカライズがいつ原作に追いついちゃうのか~その世界の謎に近づけるよう早く続きが読みたいです。それ以外にもナンバリングされてるけど1巻目以降音沙汰が……というタイトルもあります。もちろん1冊完結の作品もありますが。


  ◆  ◆  ◆  ◆


<<『このラノ2024』でのラノベミステリーへの注目>>

【協力者ランキング トップ30】の解説(P77)より
“また、今年はミステリものが多数出版されたことを裏付けるように、『不死探偵・冷堂紅葉』や『シャーロック+アカデミー』といったタイトルも上位に食い込んだ。果たしてミステリライトノベルは1ジャンルとして定着するのか、来年の結果を楽しみに待ちたい”

【9月以降刊行の注目の最新作】の解説(P158)より
”謎を解く――ミステリ要素が散りばめられた作品が多く刊行された2023年”
 角川スニーカー文庫『誰が勇者を殺したか』、電撃文庫『ブギーポップは呪われる』、富士見ファンタジア文庫『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』、MF文庫J『カルネアデス』の4タイトルを紹介

【『このラノ』的ラノベ語り!!】(P190)より
”ライトノベルミステリー流行? 謎解きが物語の決め手となる”

 今回、2023年度の話題としてラノベミステリーが増えたとの声が、ランキングや企画ページでの解説、”今年はなんといってもライトノベルにミステリブームが到来した年でした(nyapoonaさんのコメント)”などの協力者の方のコメントで見受けられました。

 更に【『このラノ』的ラノベ語り!!】の解説では、その増加傾向の背景について
”ミステリーの場合では、テーブルトークゲームとして流行してきた「マーダーミステリー」を受けていることも考えられるだろう”
と考察されています。
「マーダーミステリー」ゲームについては初めて聞きました(というぐらい自分の視野が狭いのです)ので、それが影響を与えたのかについては自分には分からなかったのですが。ただ、「マーダーミステリー」についてウィキペディアの記事を見ると、GA文庫作品『月見月理解の探偵殺人』や今期2位の『死亡遊戯で飯を食う。』などが題材とした所謂「人狼ゲーム」もその派生のようですから、そうした点から見て影響があったと言えるのでしょう。

 解説の中で興味深い事といえば”ライトノベルでのミステリーは、長らく流行らないと言われてきた”とのコメントがあったり、協力者の方からのコメントでも”富士ミスやスニミスから続いた長い苦闘(nyapoonaさん)”と述べられたりされて事ですね。

※これについて、自分は『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』『生徒会探偵キリカ』『神様のメモ帳』『月見月理解の探偵殺人』と続巻を重ねたタイトルや、紙城境介さんデビュー作の『ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件』『クロクロクロック』『ジンクスゲーム』や二丸修一さんの『ギフテッド』などミステリー物みたいなラノベを読んでいたり、『ビブリア古書堂』シリーズというライト文芸系を読んできた……と挙げてみるだけで多彩な作品が並びますから中々実感がなかったのですが、ただ、いくつかのタイトルで数冊で完結したり、完結を見ずに打切りとなった作品もあったなと振り返りました。

”ライトノベルに近しい(キャラクターが立った作品が人気の)ライト文芸でミステリーの土壌が育ってきたことで、ライトノベルのほうにもミステリーが流れ込んできたとも考えられる”
という解説の指摘も、ライトノベルミステリーの増加への影響として見逃せないでしょう。ライト文芸については自分は『ビブリア古書堂』シリーズや『博多豚骨ラーメンズ』などのメディアワークス文庫はチェックしてましたが、それ以外のレーベルについてはミステリものが色々あるみたいだなという程度の認識でした。ただし、ここ数年、ライト文芸などのミステリーのアニメ化が何本か放映されてましたね。

『アンデッドガール・マーダーファルス』 講談社タイガ 青崎有吾さん著(カバーは大暮維人さん)
『啄木鳥探偵處』 創元推理文庫 伊井圭さん
『京都寺町三条のホームズ』 双葉文庫 望月麻衣さん
『虚構推理』 講談社 城平京さん
『バチカン奇跡調査官』 角川ホラー文庫 藤木稟さん
『美少年探偵団』 講談社タイガ 西尾維新さん
『宝石商リチャード氏の謎鑑定』 集英社オレンジ文庫 辻村七子さん

 ラノベを書かれてる作家の方や志望される方の中にライト文芸でのミステリー作品から刺激を受けて、新たな作品を書かれる又は書き始める、という事もあったのかもしれません。


  ◆  ◆  ◆  ◆


<<2020年度の『このラノ』は24年度ラノベミステリーの発端だったか?>>

 2020年度の『このラノ』では『探偵はもう、死んでいる。』や『スパイ教室』が登場してます。そしてそれらに加えて20年度以前からBEST40に入っていた『薬屋のひとりごと』の3作品が、20年度以降24年度まで連続してBEST40~50に挙がっていることは先に触れたとおりです。

 それらの3作品が刺激となって、20年度以降にラノベ作品や各ラノベ新人賞への応募作品でミステリー傾向の作品が書き始められた、という場合もあるかもしれない。そんな推測も出来てしまいますが……

鵜:自分の場合は、これこそがトレンドだと思っていたんですよね。投稿時代に『たんもし』や『スパイ教室』などの隆盛を見て、ライトノベルの文法を使ってそれ以外のジャンルのお話をやっていると解釈したんです。では自分が書けるジャンルが無いかと考えた結果、デスゲームものになりました。
(同時発売記念! 『探偵はもう、死んでいる。』著者・二語十&『死亡遊戯で飯を食う。』著者・鵜飼有志Wインタビュー)

 具体的な証言がこちらのインタビュー応答の一例だけだと、とりあえず少なくとも……という程度なので、3作品が影響を与えたと言い切るには弱いですよね。各新人賞への応募でのジャンル傾向とか分かれば何か見えそうですが。


  ◆  ◆  ◆  ◆

 

<<補足 「ラノベニュースオンライン」サイトでのいくつかのインタビュー記事>>

独占インタビュー「ラノベの素」 竹町先生『スパイ教室』
まず自分の中で大きなウエイトを占めている作品が、石田衣良先生の『池袋ウエストゲートパーク』。ミステリ的な要素や事件を追っていくタイプの作品ですね。あとは湊かなえ先生の『告白』も面白いですよね。現在のバイブルはこの2作品でしょうか。ライトっぽいミステリ小説の魅力に関しては、作品への入度にあると思っています。謎というわかりやすい物語の提示から作品に入り込めること、そしてトリックや物事が明かされていくにつれて見えてくる、登場人物の想いや苦しみだったり、人間像が次々に提示されていくカタルシスが非常に好きです。知的好奇心が旺盛なのかもしれません(笑)。

(スパイを題材にしようと考えたきっかけはなんだったのでしょうか。)
きっかけのひとつとして柳広司先生の『ジョーカー・ゲーム』がありました。アニメでは『プリンセス・プリンシバル』という作品も印象的で、ミステリ的な手法をうまく取り入れてキャラクターが活躍している作品だと感じていました。エンタメで描く騙し合い、情報を隠した中で展開するミステリ要素。自身がミステリ好きであることや、スパイとミステリ要素の親和性に着目した結果、スパイを題材にしようと考えました。


独占インタビュー「ラノベの素」 紙城境介先生『シャーロック+アカデミー』
結論から言うとミステリーです。そもそも僕は『ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件』(ダッシュエックス文庫刊)というミステリーの作品でデビューしているわけなんですけど、その後にミステリーをやらなかった理由がいくつかあったんですよ。1つは単純に売れなかったから。もう1つは、最初の2作品が特に顕著なんですけど、僕自身が「どんでん返し」を組み入れる作風だったんです。でも書きながら思ってしまったんですよ。この作風をずっと続けるのは無理だなと。(中略)『僕が答える君の謎解き』(星海社FICTIONS刊)を書いた結果、どうやらそんなにどんでん返しがなくてもミステリーは書けるらしいってことに気付かされたんです。特に第2巻はミステリー好きの方たちからの評価も良く、じゃあいけそうだっていう手応えを掴んで今を迎えているっていう感じですね。

※それ以外にもライトノベルでのミステリーについて多くの事を語られてます。


独占インタビュー「ラノベの素」 菊石まれほ先生『ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒』
募に至るまでオリジナルの作品を何本か書いてきて、私自身がどのくらいの実力があるのか知りたくなったというのが最初の応募動機だったと記憶しています。選評をいただけるということもあり、私の作品がどう判断されるのか知りたいなと。『神様のメモ帳』や『狼と香辛料』といった作品がとても好きだったこともあり、初めて送った賞は電撃大賞でした。


  ◆  ◆  ◆  ◆


<<次に来るかもしれないラノベミステリー>>

 23年度【文庫部門BEST50】の『不死探偵 冷堂紅葉』も11月に2巻目が刊行され、【文庫部門】で第2位だった『死亡遊戯で飯を食う。』がこの1年で4冊も続巻し続けこの12月には待望の第5巻が出ます。燃えるような伝奇アクションが激しい『獄門撫子此処二在リ』も2巻目が執筆されてますし、電撃文庫の『不可逆怪異をあなたと 床辻奇譚』も年明け1月に第2巻が出るそうです。

 また【9月以降刊行の注目の最新作】で挙げられてました『誰が勇者を殺したか』も早くも続巻が決まってます。

 23年年末12月にはMF文庫Fライトノベル新人賞の審査員特別賞受賞作『探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、世界が滅びる可能性がございますので。』電撃文庫『双子探偵ムツキの先廻り』も出ますし……11月新刊でミステリかもしれないと購入したラノベも積み残してるし~読み切れない!? 今年はどんだけラノベミステリーが刊行されてるんだ~~!!

 それ以外でもライト文芸などから、もしくは今回の『このラノ2024』のベストランキングや来年度の各文庫レーベルでの各受賞作などから刺激を受けて、今年のデビュー作のような新たなラノベミステリー作品が現われるかもしれません。今年登場タイトルの続編とか読みたいですよね!!
 ……というか今この時にもどなたかが懸命に執筆されているはず!! ともかく来年が楽しみですね。

(2023年 12月4日 18:00 1週間前から書き始めて結論に至らないままにorz)

|

« 見失われたもうひとつの全訳『サラゴサ手稿』を求めて | トップページ | 2023年の「個人的重大ニュース」 »